新たな乾癬治療薬イキセキズマブ、99%の患者さんが75%改善を達成

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2016年08月17日 18:00  QLife(キューライフ)

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日本人107人参加の臨床試験で有効性、安全性を評価

日本医科大学大学院医学研究科 皮膚粘膜病態学分野教授の佐伯秀久先生

 慢性的な皮膚の病気「乾癬(かんせん)」は、身体的な症状だけはなく、人からじろじろ見られる、感染すると勘違いされるなど仕事や日常生活への影響も大きく、患者さんのQOLが低下します。また、重症の乾癬を有する男性は抑うつリスクが高く、不安や自殺傾向が高いなど精神面への負担も心配されます。

 日本イーライリリー株式会社は乾癬治療薬「トルツ(R)」(一般名:イキセキズマブ)について、製造販売を行うための承認を取得。8月3日に都内で記者発表会を開催し、日本医科大学大学院医学研究科皮膚粘膜病態学分野教授の佐伯秀久先生が講演しました。

 日本人の90%を占める尋常性乾癬ほか、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬の患者さん(日本人107人参加)に対して行われたUNCOVER-J試験では、イキセキズマブの有効性および安全性を評価し、乾癬の新規治療薬として有望な結果が得られました。

 有効性については、全身を頭・胴体・手・足の4つの部位に分け、どの部分にどのくらいの大きさのどの程度の皮疹があるかを調べることにより、全身の重症度を点数化するPASI(Psoriasis Area Severity Index)で評価したところ、12週時点で、症状が75%改善(PASI75)した人の割合は98.7%で、32.1%の人がPASI100を達成しました。安全性については、他の臨床試験の成績と同様であり、日本人の乾癬患者に特有の安全性の懸念は認められなかったとしています。

治療へのアクセス確保が課題

 イキセキズマブは、高い炎症抑制作用がある生物学的製剤ですが、適応となるのは、外用薬、内服薬、その他全身療法では満足のいく治療効果が得られない患者さんや、副作用が実際に発現しており、十分な用量の内服または光線療法ができない患者さんです。佐伯先生は、現状として、生物学的製剤の利用が中等症以上の患者18万人の約1.2%にとどまることを指摘し、導入が可能な施設を拡充するなど、治療へのアクセス確保を今後の課題の1つに挙げました。

 さらに、重症の乾癬患者さんは抑うつ、不安および自殺傾向が高いことも指摘。「会社にどう説明すればよいかわからない」「周囲の理解がなくてつらい」といった些細な悩みも患者さんと共有できるような関係が重要であるとし「患者さんの悩みを改善できるように、サポートしていきたい」と語りました。

 国内の乾癬患者数は約43万人。症状や見た目が患者さんの仕事や生活、精神面に与える影響は計り知れません。新たな治療選択肢の1つとして、イキセキズマブが必要な患者さんに早期から届けられるような体制の確立が望まれます。(QLife編集部)

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