キメラ動物を使った研究、一般市民の約半数が「許されるべきではない」

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2016年08月19日 12:00  QLife(キューライフ)

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国内では、キメラ動物の作製は法律上認められず

 京都大学iPS細胞研究所と東京大学医科学研究所らの研究グループが、ヒトの細胞を含むキメラ動物を使った研究に関して、一般市民と研究者を対象に意識調査を行ったところ、両者間に許容度の差があることが明らかになりました。

 キメラ動物とは、動物とヒトの細胞が混ざった動物のことで、iPS細胞やES細胞を初期胚に移植し、人工的に作製したマウスはキメラマウスと呼ばれています。キメラ動物を使った研究は、再生医療用のヒトの臓器を動物の体内で準備したり、ヒトの臓器のでき方を調べたりと、さまざまな科学研究に役立つことが期待されています。

 しかしながら、国内では、ヒトに関するクローン技術などの規制に関する法律により、キメラ動物を作ることは認められていません。ただし、基礎研究に限り、人または動物の胎内に移植することを禁止した上で、受精から14日までの胚であれば利用してもよいとされています。現在は技術の進歩に伴って、もう一歩踏み込んだ研究まで認める方向で、ガイドラインの見直しが進められています。

研究者と一般市民との間で、許容度に差

 このような状況下で、研究グループは、一般市民がキメラ動物を使った研究についてどのように考えているのか、アンケートを実施。2012年と2015年に、一般市民(のべ約5,000人)と日本再生医療学会の会員(のべ約2,000人)を対象に、「ヒトー動物キメラを使った研究と再生医療」をテーマに調査しました。

 その結果、キメラ動物を使った研究について、「許される」、「生物の種類によっては許される」と回答した割合が、研究者は50%以上だったのに対し、一般市民は約25%という結果に。さらに、約半数が「許されるべきではない」と答えており、研究者と比べると、許容度が低いことがわかりました。

 一方、再生医療研究の活動自体への支持度は高く、一般市民の約8割が「賛成」、「どちらかというと賛成」と回答。「自分自身の血液などサンプルを提供するかどうか」という質問にも、半数以上が「提供したい・提供しても構わない」と答えており、キメラ動物への反応とは対照的な結果となりました。これらの結果を受け、研究グループでは「両者の認識の違いを埋めるためには、研究者が継続的な情報発信や社会との議論を行いながら、最新の研究状況について一般市民と共有することが必要」としています。(菊地 香織)

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  • ずっと日本人が実験動物扱いを受けてきて、ようやくできたのがこれなんだが
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