国内の患者数約100万人のてんかん。いまだに正しい知識が浸透していない

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2016年08月26日 18:00  QLife(キューライフ)

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高齢者の発症増加、原因わからないもの多く

日本てんかん学会理事長の大澤眞木子先生

 国内の患者数約100万人、発作が慢性的に繰り返し起こる、脳神経の病気であるてんかん。いまだに正しい知識が浸透していないのが現状です。第一三共株式会社とユーシービージャパン株式会社は8月23日、メディアセミナーを開催。日本てんかん学会理事長で、東京女子医科大学名誉教授の大澤眞木子先生が、「知っておきたいてんかんの知識と現在の課題」と題して講演しました。

 てんかんは、“子どもの病気”というイメージが強いですが、最近では、高齢者の発症も増加しています。小児では、出生前やお産児時の脳形成異常や出生後の脳炎、髄膜炎、外傷などが、成人では、脳出血、脳梗塞、脳外傷など病気や事故による脳の損傷が原因とされていますが、大澤先生は「原因がわからないものも多い」と語ります。

 発作は、脳の一部が興奮する「部分発作」と、脳の大部分や全体が興奮する「全般発作」に大別されます。部分発作には、光が見える、不快なにおいがするなどの感覚器の症状、動悸や寒気がする自律神経の症状、手足や顔がつっぱる、体全体が片方に引かれるなどの運動機能の症状などがあります。一方、全般発作には、倒れて手足がガクガクする「強直間代発作」、ぼんやりして反応しない「欠神発作」、全身や手足を一瞬ピクっとさせる「ミオクロニー発作」、全身の力がガクッと抜ける「脱力発作」があります。熱性けいれん、失神、心因性発作、チックはてんかんの発作と間違われやすく、大澤先生は「一般の人には判断できませんので、医療機関を受診することが大切です」と呼びかけました。

「薬で症状をコントロールすることで、てんかんのない人と変わらない生活を」(大澤先生)

 さらに、大澤先生は、発作で倒れた場合の対応としては、落ち着いてよく観察し、ぶつかりそうなものや火気、割れ物、とがったものを移動させて安全を確保することが重要であるほか、風呂ではすぐに栓を抜く、プールでは鼻と口を水面から出し、発作がおさまった後で水から引き上げるなどの具体策を紹介。倒れない発作の場合には、危険を感じたら後ろから優しく誘導し、「押し倒すこともあるため、前に出て制止しないで」と語りました。

 「たいてい発作は3分以内でおさまります」(大澤先生)が、

  • 今までに発作を起こしたことがない
  • 発作が5分以上続く
  • 最初の発作が回復しないうちに次の発作が続いて起こる、または呼吸困難が見られる
  • もうろう状態が長く続く、または完全な意識の回復が見られない
  • けがや病気の徴候がある
  • 負傷し、出血がひどい
などの場合には、救急車を呼ぶ必要があるといいます。

 急激な体温の上昇、発熱、光、月経など、発作の誘発因子は人によってさまざまです。「誘発因子を避けて、規則正しい生活をすることが大事。薬で症状をコントロールすることで、てんかんのない人たちとほぼ変わりない生活ができます」(大澤先生)

 てんかんの人もそうでない人と同じように安心して生活できるよう、てんかんに対する理解が深まることが望まれます。(QLife編集部)

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  • だけど、適切な服薬をせずに、車で暴走して何人もの人を轢き殺した人もいたことは忘れていけない。
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