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日本の技術と民主制を実感?”リオ五輪・閉会式”を中国人はどう見たか

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2016年09月01日 13:10  デイリーニュースオンライン

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デイリーニュースオンライン

写真中国人漫画家が語るリオ五輪閉会式 (C)孫向文/大洋図書
中国人漫画家が語るリオ五輪閉会式 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2016年8月21日(現地時間)、リオデジャネイロ五輪の閉会式が行われました。閉会式には安倍晋三首相(61)、小池百合子東京都知事(64)らが参加し五輪のバトンはブラジルから日本へと受けつがれました。

■日本文化が結集した閉会式

 僕は主に演出的な観点から閉会式を視聴していたのですが、多くの点で感動を覚えました。まず小池都知事が五輪の旗を受け取った後、競技場内に流された「君が代」は、「神楽」など日本の伝統音楽を連想させる電子的なアレンジが施されたもので、僕は自分が敬愛する作曲家・川井憲次氏(59)が作曲した「攻殻機動隊」、「イノセンス」というアニメ映画のオープニングテーマを思い出しました。

 続いて競技場内で映し出されたイメージ映像には、渋谷のスクランブル交差点、セーラー服姿の女子学生、東京の夜景、新幹線など日本を代表する光景が映し出され、アスリートたちと共に「キャプテン翼」、「ドラえもん」、「ハローキティ」、「パックマン」など日本製のキャラクターたちも多数出演していました。日本を代表するクリエイターたちによって手がけられた映像は実写と架空のキャラクターたちが巧みに融合したもので、カットを多用した演出はテンポがよく、見ていて大変心地よいものでした。

 そしてアスリートやキャラクターたちによって受けつがれた日の丸を連想する紅い眼鏡、ならぬボールを安倍首相が受け取った後、「マリオ」に変身し、ドラえもんが出した土管を通って日本の裏側へと向かい、実際にマリオのコスプレをした安倍首相が競技場内に現れるというコメディチックな演出が行われたのです。

 CGやAR(拡張現実)を多用した近未来的なイメージにあふれた閉会式は、まさに「クール・ジャパン」の面目躍如といったもので、各国から絶賛の声が寄せられました。中国でも好意的に紹介され、CCTV(中国中央テレビ)は「日本は科学技術力でアピールした」、「2020年にはどれだけハイテクを多用した五輪が見られるだろうか?」、「東京五輪が待ち遠しい」などと歓迎的な意見を寄せました。また多くの中国国民が閉会式に感嘆したようで、国内のネットには「安倍馬里奥(安倍マリオ)超ウケる!」、「日本のアニメキャラが多く出演した点に親近感を持った!」、「できればピカチュウにも出演してもらいたかった」、「完璧な演出だ! 日本人は天才的なクリエイティブ能力を持つ!」、「北京五輪は完敗だな」、「矛盾しているが反日感情を持っているけど、日本のコンテンツは大好きだ!」などという意見が多く寄せられていました。

■いいがかりのような反日層の批判意見

 このように世界中の人々が絶賛した閉会式ですが、その一方、日本の左派系の人々は「国辱もの」、「『汚物』が土管から出てきた」「ヒトラーと同じく五輪を政治利用している」など誹謗中傷をネット上に書きこみました。同じく中国の偏向的な愛国層も「右翼安倍の登場に腹が立つ」、「日本国旗を見ると吐きそう」、「4年後は安倍が退陣していますように」と批判を寄せたのです。

 閉会式の映像を実際に見てみると、確かに日の丸はフィーチャーされているものの、過度にナショナリズムを強調した演出は行われていません。北京五輪時の閉会式でイギリスのベッカム(41)、ロンドン五輪時はブラジルのペレ(75)と次回開催国出身の元アスリートが閉会式のメインキャラクターを務めたことを受け、今回の閉会式でアスリートをメインとしなかったことを批判する声もありましたが、アニメやゲームなど日本にはスポーツ以外にも数多くの魅力的なコンテンツが存在しており、自国の首相や世界的に知られたキャラを前面に押し出した今回の演出は妥当なものだったと思います。僕は前述の反対意見は単なる「いいがかり」だと感じます。

 僕が今回の閉会式に対する意見で一番印象に残ったものは、数多くの中国人たちの「一国の首相がステージ出演している! 中国ではありえない!」というものです。中国の国家主席はかつての皇帝と同じく絶対的な権力者で、安倍首相のように自らコメディ役を演じることなどありえません。僕は今回の閉会式を見てあらためて日本の技術の高さや文化の素晴らしさ、民主制の高さを実感しました。2020年の東京五輪は絶対に素晴らしいものになると思います。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の31歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)など。

(構成/亀谷哲弘)

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