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赤ちゃんの歯はむし歯にしたくない。でも、実際はどうやってケアしたらいいのか、色々と試しては手探り状態…そんな悩みをよく聞きます。
むし歯予防には歯みがきだけでなく、離乳食を噛み与えないようにしたり、スプーンを共有しない方がいいと聞いたので、気をつけているというママもいると思います。
それなのに、1歳6ヶ月児や3歳児の歯科健診でむし歯が見つかる……という経験はありませんか? どうして赤ちゃんや小さな子どもにむし歯が出来てしまうのでしょうか。
今回はママ歯医者である筆者が「赤ちゃんのむし歯予防」について解説します。
「むし歯」とは、歯の表面に付着したプラークの中の細菌が、食べ物の中の糖分(砂糖だけではないので要注意!)を分解して酸を作り、その酸が歯を少しずつ溶かしていくことで生じます。いきなり、「1日でむし歯になった!」という訳ではないのです。
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赤ちゃんのお口の中には、最初はむし歯の原因となる菌はいません。主にママや家族の唾液を介して感染すると言われています。さらに、歯は生え始めてから2年間くらいは弱い状態です。1番その時期にケアが必要なのです。1番最初に生える乳歯は生後6ヶ月頃から生えるので、2歳6ヶ月頃までは弱い状態と考えましょう。
つまり、3歳頃までのケアが重要になってきます。そのためか、巷では「3歳位まで噛み与えで食べ物を与えなかったら、その子は絶対むし歯にならない」という噂があるようです。
噛み与えをしないのは、むし歯だけでなく、風邪などの家族感染を防ぐためにも重要だと考えます。でも1つだけ気をつけても“絶対”むし歯にならない保証はないのが現状です。
むし歯は、歯の質、むし歯菌、時間、糖分などの原因が複雑に絡み合って、初めて起きるのです。
そして、歯並び、歯の質、唾液の性質といった遺伝的な要素よりも、赤ちゃんのむし歯は環境による影響を受けやすいと言われています。すなわち、家庭での食事や飲み物の与え方、甘いものを食べたり飲んだりする量や頻度、家族の歯みがき習慣などです。
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歯みがきでむし歯の原因となるプラークを落とすことに加えて、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
(1)妊娠中に家族のむし歯や歯周病は治療しておく
赤ちゃんのむし歯は家族を介して伝播することが多いため、ママやパパ、お兄ちゃんお姉ちゃん、家族全員が口の中を清潔に保ち、正しい食生活を送りましょう。
赤ちゃんが生まれる前に、むし歯や歯周病の治療を済ませておくと、お口の中がキレイな状態で赤ちゃんを迎えることができます。
(2)哺乳瓶にイオン飲料や果汁を入れて飲ませない
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高熱が出たときに、水分補給としてイオン飲料を飲ませる場合があるようです。熱が下がったらイオン飲料はやめましょう。メリハリのある利用がポイントです。
哺乳瓶にミルク以外のものを入れて与えるのはやめましょう。また、ストロー付きのマグにイオン飲料やジュースを入れると、ダラダラ飲みの原因となります。甘い飲料は、コップを使うとよいでしょう。
(3)1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月は要注意時期
赤ちゃんへのむし歯菌の感染時期が遅いほど、その後のむし歯は軽症で済むと言われています。
特に“1歳7ヶ月〜2歳7ヶ月”は感染しやすい時期なので、注意が必要です。2歳以前にむし歯菌に感染すると、むし歯が重症化しやすいと言われているので、赤ちゃんの歯が生えてきたら次のことに気をつけていきましょう。
●定期健診を受け、むし歯は早めに対処する。
●唾液からの感染予防として、大人が使ったお箸やスプーンを赤ちゃんに共有しない。食事の噛み与えをしない。
●砂糖が入った飲み物や食べ物はなるべく控える。与えるなら時間を決めておやつタイムのお楽しみに。
いかがでしたか。
1歳6ヶ月の歯科健診でむし歯が見つかったり、初期むし歯の状態を指摘されることがあります。注意していたママとしては大変ショックですよね。
でもむし歯は1つの原因だけで生じることはないので、生活習慣などを振り返り、まずはできてしまったむし歯は、歯科医院で治療しましょう。
奥歯が生えるとケアする範囲も増えます。そのため、1歳6ヶ月を待たずに、1歳前後での歯科健診デビューをオススメします。
【参考・画像】
※ 乳歯のムシ歯 – サンスター
※ 仲井雪絵(2012)『ラクに楽しく!マイナス1歳からはじめるむし歯予防〜ママになる前からできること〜』(オーラルケア)
※ SvetlanaFedoseyeva , Syda Productions / Shutterstock
【筆者略歴】
※ 進藤ゆきこ・・・専門家ライター。自身も子育て真っ最中の歯科医師、歯学博士。「毎日のオーラルケアをママとベビーのハッピータイムに」をモットーに、親子でお口の健康をもっと身近に感じてもらえるよう取り組んでいる。
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