GMが2050年までに電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうと宣言

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2016年09月26日 10:11  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

アメリカの大手自動車メーカー・ゼネラルモーターズ(GM)社が、2050年までに、59ヵ国、計350の操業所の電力を100%再生可能エネルギーでまかなう計画を発表した。

エネルギー効率の改善も必要

GMのチェアマン兼CEOのメアリー・バラ氏は、「100%再生可能エネルギーという目標を掲げることは、環境への負荷を減らすことで、われわれがより社会に貢献できる手助けになります」

そして「この再生可能エネルギーの推進は、エネルギーコストを下げて安定させることによってわれわれのビジネスを強化し、顧客やコミュニティにとってはきれいな空気を供給するというメリットを供給することができます」と話す。

GMは、再生可能エネルギー100%を目指す企業連合『RE100』に参加している。2015年において、GMは世界中の工場、オフィス、技術センター、倉庫などで合計9テラワット時の電力を必要としたという。再生可能エネルギー100%という目標の実現のためには、エネルギー源をクリーンなものに置き換えていくということのほかに、操業のエネルギー効率改善も必要になる。

また、現在GMは、再生可能エネルギーを活用することで年間約500万ドルの節約を実現しているが、今後新たなプロジェクトの開始や、再生可能エネルギーのさらなる供給によって、この数値は上がっていくと見積もっている。と同時に、再生可能エネルギーの導入コストや供給コストは下がり続けると予想している。

GMは以前2020年までに125メガワットの再生可能エネルギー導入という目標を掲げていたが、それは、ふたつの風力発電プロジェクトが開始することによって実現できそうだという。

「GMのこの大胆で野心的な計画は、まちがいなくグローバル自動車産業の関心を引くでしょう」と、国際NPOのThe Climate Groupの役員であるAmy Davidsen氏はいう。

「GMはすでに再生可能エネルギーを使うことで何百万ドルもの節約を果たしています。そして、ほかのスマートビジネスと同様に出資の機会だと考えています。私どもは、この(GMの)リーダーシップが、ほかの重工業企業にも方針を転換させるきっかけになることを望んでいます」。

電気自動車のバッテリー活用も

GMは中国に、30メガワットの太陽光発電施設を追加しているところだ。また、GMは20年以上にわたって再生可能エネルギーのパイオニアであり、太陽光発電設備を持った施設は22あり、3つの施設では埋め立て地ガスを使用し、4つの施設では近いうちに風力発電を導入する。こういった経験は、GMが再生可能エネルギーを世界各地の営業所で活用できるようにする手助けになるという。

GMは電気自動車のバッテリー技術も持っている。エネルギーの貯蔵は、電力供給が安定しない風力発電や太陽光発電の活用には不可欠な技術だ。GMはいまミルフォード・プルービング・グラウンドのデータセンターにおいて、シボレー・ボルトのバッテリーをエネルギー貯蔵のために活用している。

自動車メーカーというのは、もともと温室効果ガスの排出に強く結びつけられてイメージされがちだ。だからこそ、GMのような巨大メーカーは、そのイメージを払拭したいという思いもあるのかもしれない。

いっぽうで自動車製造業というのは巨大な産業である。このようなプロジェクトをGMが始めるとなれば、ほかのメーカーも黙ってはいられないだろう。予算の大きな自動車メーカーが思いきった再生可能エネルギーへのシフトを見せれば、その影響は大きい。また世の中の動きが変わっていくかもしれない。

【参考・画像】

※ GM Commits to 100 Percent Renewable Energy by 2050 – GM CORPORATE NEWSROOM

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