小学校がやってくる! 悩める年長親のつれづれ

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2016年11月02日 10:02  MAMApicks

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「私、仕事やめようかと思うんだよねー。“小1の壁”が越えられる気がしないわ、マジで!」

ランドセルの話をしていた時期だから、6月ごろだっただろうか。年長児を持つ友人が仕事を辞めると言い出した。

「どうするの、仕事続けるの?」ときかれたのだが、こちらは金銭的に辞める選択肢もなく……。

筆者の居住区では、学校選択制がとられている。都内だけを見ても半分以上の区がなんらかの学校選択制を実施しているそうだ。

6月ごろ、第1回の学校説明会が行われた。ちょうどランドセル商戦がスタートする時期なのは、一部の義務教育学校(公立の小中一貫校)ではランドセルの色に指定があるため、ちょうどいいタイミングなのだろう。

そして2度目の学校説明会が、9月から10月に行われる。選択制ではない地域でも、11月には就学時健診があり、翌年2月には新入生保護者会がある。


ボーっとしているうちに、どんどん小学校に攻め込まれてくるようなスピード感である。それでいて卒園の準備もある。年長親の下半期は、実に忙しい。

そして、区から郵送されてきたスケジュールを確認すると、ほとんどのイベントが平日昼間に発生していた。私は夫に問う。

「ねえ、これ、全部私が参加するのかな? 全部平日だけど?」

……秋の説明会は夫が行くことになった。

■小学校、効率化を気にしちゃだめかしら?
帰宅後、夫から説明会の感想を聞くには、

「うーん、前(6月の説明会)からはそんな進展ないかな」。

……ああ、じゃあ無理に夫に午前休取らせて行かなくてもよかったかな、と反省していると、カバンからパンフレットを取り出した。

「これ、前もらった?」
「ううん?」
「学童も利用者数は○○人で、19時までは△△人だって。」
「それも初耳だ」
「文房具のサンプルを2月に見せるって」
「お、おう……?」

……どこかでこういうの見たことある。
そうだ、長男に「今日お手紙ないの?」ときいても「ないよ!」というけど、カバンをあけたら出てくるアレだ……。

そんな中、夫がどうしても気になったことがあったのだという。

「スクリーンに大写しして説明するんだけど、事前にパワポの資料をプリントして渡せばいいのに、配らないんだよね。口頭でされた説明を家で伝達するのに、アジェンダがあれば一発で済むのに、なんか効率悪くない?」

言われてみれば前の説明会もそうで、配られた別の紙に走り書きした読めないメモがちょうど出てきた。

そもそも、年度末に向けて平日昼間に何度も召集が掛かっている段階で、我々の時給はみるみる目減りしているのだ。これ以上効率の悪いことがあるだろうか。もしかして、働いているお母さんやお父さんのことはあまり想定していない学校なのだろうか……?

子どもの教育をコスパで計れないことは理解しているつもりだ。しかし、親を招集する部分はもうちょっとなんとかならないものか。

筆者の子たちの通う保育園は父親の参加が非常に多い。朝も半数は父親の姿を見かける。

……とはいえ、それもここ4年が顕著な話である。長男が0歳のころはまだ圧倒的に母親の参加が多かったからだ。街を歩いても、5〜6年前とは違い、エルゴで赤ちゃんを抱っこしているのは男性であることが多くなった。

──小学校、保育園のノリで行ったらだめなのかしら?

未就学児の空気を6年かけて我々の世代は変えてきた、と思う。
ああ夫よ、小学校も全力で“お父さんに優しい環境”に塗り替えるのだ!
お父さんに優しい環境は、働くお母さんにもきっと優しいはずだから……!!

「おい、勝手に丸投げするなよ」とツッコミを食らいそうである。

■どうなる学童 ――自主性と治安を天秤にかけて
以前、筆者の地域の学童について2年も前に心配している旨を書かせていただいた。そのあと、取材に何本か応じているうちに、なんと学童のルールが変わってしまった。おやつも出るようになり、開所時間も夜19時までとなったのだ。

「いろいろ騒いですみません……」という気持ちもあるが、結果オーライと思いたい。

しかし、学童の終わりが19時。
区内の保育園の、一番短い終わり時間でも19時半。

……なぜ30分のタイムラグを作った? 普通そこ合わせるでしょ?

筆者の現状、残業しない前提なら19時半でお迎えが間に合うところ、19時では早退扱いである。さてどうしたものか。

●時短
→夜間保育加点で転園した次男の入園条件に「時短をとらないこと」とあったのでこれはNG。

●勤務時間変更
→15分前倒しすることでギリギリ間に合いそうだが、学童の先生からも「恒常的に遅れないでください」とすでに釘をさされている。会社のほうは時間変更には応じてくれそうなので、あとは、がんばれ自分……!
(ちなみに現在の平均退社時刻は20時である。)

そのほかにも使えるリソースを全部つっこむとして、
・実家の応援(週2〜3日は可能か? でもいつまで元気でいてくれるかは未知数)
・ファミサポ(また相性が悪い人だったらどうしよう……)
・シッターさん(どこからそんなお金が捻出できるのか)

……考えると落ち込みそうだ。


「小学生なんだから留守番させなよ」

これについては以下の不安要素があり……。

【1】帰宅ルートで轢かれる可能性
通学路は国道の抜け道になっているので、ハイスピードのトラックが細い道を飛んでくる。
「7歳男児が一番交通事故に遭いやすい」というデータが少し前に話題になったばかりだ。
交通事故総合分析センター「交通事故分析レポート」より
http://www.itarda.or.jp/itardainfomation/info116.pdf
心配するなといわれてもさすがに気になってしまう。

【2】事件に巻き込まれる可能性
先日、オートロックのマンションに住民のフリをして付いていき、女性の首をしめたとして逮捕された男性のニュースを見たばかりである。区内の小学生はGPSケータイを所持しているのだが、授業中は電源を切って学校が預かり、下校時に返却すると説明会で聞いた。しかし、電源を入れ忘れ、GPSが役に立たないまま事件に巻き込まれることは容易に想像がつく。

【3】地味に“小3の壁”? 異年齢学童時差問題
筆者の居住区では、学童が19時まで使えるのは小学3年生まで。それ以降は18時までしかいることができない。筆者の次男が小学校に入学するころ、長男は5年生である。なお、18時以降まで預ける場合は保護者のお迎えが必要である。

……ん?どうしたらいいのだ?
18時に長男ひとりで帰宅、19時に次男お迎え?
18時に、長男が次男を連れて帰宅?……いや、それはないな、長男が帰宅途中にある公園で遊ぶのに夢中になって、弟のことを忘れてしまいそうだ。

全児童対策をやっていない地域では、おそらく学童は3年生までとなっていることだろう。きょうだいのいる皆さんは学童をどう乗り切っているのだろうか。民間?塾?別の何か?

■給食が遅いのは遺伝するのか
長男の、給食を食べるスピードが異様に遅い。

小学校からは給食を20分で食べ終わるように言われているし、年長になってからは保育園でも徐々に時間内で終わるよう指導しているはずだ。

学校の勉強も集団生活も、おそらくそつなくこなすであろう長男だが、給食が不安だ。

かつて小学校1年生だった筆者、給食がまずいという理由で食べるのが大変遅かった。トーストもしていない食パンに果物の入ったクリームを乗せて食べる意味が、まったく理解できなかったのだ。

≪お前は主食なのか!デザートなのか!≫

5時間目になっても食べ終わらず、泣きながら廊下に机ごと出された。
……私は、食べきれないパンを、机の中に入れることを覚えた。毎日毎日、友だちの目を盗んでは机にパンを入れる。

ある日、もう入りきらなくなって、つい、休んでいる隣の子の机にもパンを忍ばせた。

翌日、バレた。

しばらく学校に行きたくないと休んだあと、学校には行っても、給食の時間になると決まって熱を出すようになったのだ。

給食の時間を保健室で過ごして半年ほど経ったころだろうか。
筆者の母親らPTA有志が中心となって給食の試食会を行い、味に問題があるということで“カフェテリア給食”なるものが新設された。好きなものを、好きなだけよそうことができる夢のようなイベントだ。

味付けも変わり、給食を残さず食べられるようになり、その後給食で困ることはなく無事に卒業した。

……もちろん私と長男は別の人間であるが、どこか同じ要素を持っていたら、給食をきっかけに学校生活でつまずいてしまうのではないだろうか。

ちなみに筆者は人間関係がうまく築けず、幼稚園、小学校と派手な登校拒否に至ったことが数回ずつある。なんなら会社を休職したことも一度ある。ドロップアウト癖がつくと、大人になって困ることは多々あるのだ……。

自分が一人っ子だったせいなのか、幼稚園も保育年数が少なかったからなのか(3年保育出身の子たちにいじめられていたから)、などと、集団生活で都度つまずく理由を考えていた。

幸い、兄弟になったし保育園児であるわが子たちにそれらの要因はないが、自分がそうだったからという理由で心配になってしまうのはどうしようもない。

親が主体で子どもを“預ける”保育園から、子どもが自分の道を進んでいく学童期になる。心配は尽きないが、「何かあったらフォローするから」くらいの気持ちでいたほうがいいのだろうか。

しかし、子どもの異変にはどのくらい気づいてあげられるのかな……と、わが子の自殺について親御さんが会見しているニュースを見ながら、今この原稿を書いているのだ。

ワシノ ミカ
1976年東京生まれ、都立北園高校出身。19歳の時にインディーズブランドを立ち上げ、以降フリーのデザイナーに。並行してWEBデザイナーとしてテレビ局等に勤務、2010年に長男を出産後は電子書籍サイトのデザイン業務を経て現在はWEBディレクター職。

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