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室内での化学物質暴露評価ツールを開発

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2016年11月07日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

家具などの成型品に含まれる物質にも対応

画像はリリースより

 住宅の高気密、高断熱化が進み、1年を通して快適に暮らせるようになった一方で、化学物質を含む新建材を多用したことによる「シックハウス症候群」に悩まされる人も増えています。住宅内を漂う化学物質は、壁紙や接着剤といった建材のほか、家具や家電など成形品からも放出されています。

 これまで、化学物質の人への暴露については、大気や水など環境を経由する暴露や、化学物質を取り扱う工場などでの作業環境暴露に重点を置いた評価や対策が行われてきました。しかし、近年は身近な製品からの暴露に関心が移行。さらに、製品開発の際には、実際の使用環境に近い状況での詳細なリスク評価が必要となりますが、実務に使えるツールはなく、日本の実情に合った暴露評価とリスク評価ができるツールの開発が望まれていました。

 このような背景から、産業技術総合研究所(産総研)では、室内で使用する製品に含まれる化学物質の人への暴露をパソコンで評価できるソフトウェア「室内製品暴露評価ツール(ICET)」を開発し、無償版を公開しました。成形品に含まれる化学物質が経年劣化などにより空気中に徐々に放散したり、皮膚表面の水分に溶け出して生じたりする人への暴露も評価できるなど、既存のツールから進化しています。

従来品に比べて3つの優位な特徴

 ICETには、従来の評価ツールと比べて、3つの優位な特徴があります。1つ目は成形品の暴露評価の信頼性の向上です。従来品は、過大な移行率、経皮吸収率を用いて極端に安全側に推定していましたが、実際の製品使用時に近い状況が再現できるようになったのです。2つ目は、室内での製品の多様な使用形態に対応した吸入暴露量の推定ができることです。例えば、衣類などの防虫剤については、部屋に隣接したクローゼットとの間の空気の移動や、クローゼット内に置かれた収納容器との間の空気の移動を考慮した濃度が推定できます。

 3つ目は、暴露量の日本における人口分布を推定できることです。近似的に解を求められる「モンテカルロシミュレーション」により、1人の人間の住宅内での暴露量だけでなく、暴露量の人口分布が推定できます。さらに、日本の住宅とそこに暮らす世帯の属性と、設置・使用される代表的な製品に含まれる化学物質についての各種データベースも搭載。これにより、日本の実情に合った暴露評価が可能となり、実際の使用環境に近い状況での評価ができるようになりました。

 産総研では今後、「企業との共同研究や技術コンサルティングを通じて、実際に企業現場で問題として懸念されている事例のケーススタディーを行い、そこで得られた知見をフィードバックしながら、ICETを改良していきたい」としています。(菊地 香織)

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