検索サイトで上位表示される「がん情報」サイト その4割は信頼度× 有害なサイトも

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2016年11月07日 18:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

日本医科大学武蔵小杉病院・勝俣範之先生らが学会で発表

 日本国民の2人に1人が罹患するがんについては、患者さん自身が、がん情報をインターネット検索で調べることも多くなっています。しかし、がんに関してネット上で情報検索を行った際に上位に表示されるがん情報サイトの約4割が信頼度に欠けるものだった、という調査研究が発表されました。

 これは、先頃開催された第54回日本癌治療学会学術集会で、日本医科大学武蔵小杉病院腫瘍内科教授の勝俣範之先生と同大学医学部5年の小笠原涼さんらの医学生が共同研究として発表したものです。調査ではネット検索エンジンの「Google」と「Yahoo!」を使用。「がん治療」、「がん 治る」の2つで検索し、検索結果上位20個に入るサイトの情報を評価しました。さらに「がん」を5大がんである「肺がん」、「乳がん」、「胃がん」、「大腸がん」、「肝臓がん」に置き換えた検索結果についても同様に評価。合計247サイトについて情報の信頼レベルを評価しました。

専門医の評価「信頼できるサイト」わずか1割

 評価にあたっては、

 (1)国内外などで医学系学会が策定した診療ガイドラインなどを参照し、情報源が信頼できるか否か
 (2)保険適応ではなく厚生労働省の先進医療にも指定されていない非標準治療を行うクリニックやサプリメント販売サイトへ誘導しているか否か

の2点を評価軸に決定しています。

 そのうえで情報の信頼度を、

 レベルA(信頼できる)=(1)該当(2)該当せず
 レベルB(どちらでもない)=(1)(2)ともに該当せず
 レベルC(危険・有害のおそれあり)=(1)該当せず(2)該当

 評価はがん専門医(腫瘍内科医)2名が個別に行うとともに、専門医から評価方法についてあらかじめ30分のレクチャーを受けた医学生3人によるチームでも行いました。全員の評価が一致していた場合はその信頼レベルに決定。評価が違った場合は話し合いで最終的にレベルを決定しています。

 専門医による評価は、レベルAが10%、Bが51%、Cが39%でした。また、医学生によるレベルAが12%、Bが56%、Cが32%となりました。

 がん情報だけでなく、医療情報を検索する際には上記2つのポイントについて、まずはチェックすることをおススメします。(村上和巳)

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