人工妊娠中絶、産めない理由は「経済的」が最多

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2016年11月11日 12:01  QLife(キューライフ)

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宮崎県が10年ぶりに調査

 新しい命を授かる妊娠は本来、とても喜ばしいものです。しかし、何らかの事情で出産を諦めなくてはならず、人工妊娠中絶(人工死産)を選択する女性もいるのが現状です。厚生労働省によると、2014年度の人工妊娠中絶件数は18万1,905件。年々減少傾向にありますが、なかには、産みたくても産めない女性たちがいることに変わりはありません。

 宮崎県は、2010年から4年連続で人工妊娠中絶率が全国ワーストと、人工妊娠中絶率が高いことがかねてからの課題となっています。2005年から2006年にかけて調査を行った結果、同じ女性が人工妊娠中絶を繰り返していることが明らかとなり、産科医療機関において人工妊娠中絶後や出産後の家族計画指導などに力を入れてきました。

 宮城県の人工妊娠中絶率は、2014年には全国3番目となりましたが、全国平均と比べると依然として高く、前回調査から約10年経っていることもあり、再度調査を実施。県内8医療機関で、人工妊娠中絶をした女性196人と出産予定または出産した女性164人を対象にアンケートを行いました。

男性へのアプローチも重要

 調査の結果、人工妊娠中絶群では、妊産婦群に比べ、公的な相談窓口や低容量ピルなどの知識を問う設問で回答率が低かったほか、身近に相談できる人がいないと答えた人の割合も高いことがわかりました。パートナーの避妊の協力については、「いつも協力する、頼めば協力する」が妊産婦は93.7%なのに対して66.8%と低いほか、「避妊に全く協力しない」と答えた人も1割おり、人工妊娠中絶を避けるためには、男性側へのアプローチも重要と考えられます。

 妊娠が継続できなかった理由としては、「子どもは欲しかったが経済的な理由で諦めた」が52.4%と最多。次いで、「産み育てる自信がなかった」(34.9%)、「自分は産みたかったがパートナーが反対した」(25.4%)と続きます。2005年度の調査では、経済的な理由と答えた女性は40.5%でしたが、今回の調査では半数を超えており、景気悪化のあおりを受けずに、妊娠を継続できる環境を整えられるかどうかが、今後の課題といえそうです。

 今回の調査結果を受けて、宮崎県では「人工妊娠中絶群では、妊娠・出産に関する正しい知識を有する人の割合が低かったので、思春期からの正しい知識の普及啓発をさらに充実していくことが重要。家族計画について事前に話し合うことができるよう、男性へのアプローチもしていきたい」としています。(菊地 香織)

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