「パソコンの遠隔操作」という言葉を口にすると、あまり良いイメージを持たれない。この行為は、つい最近まで「許されざる犯罪」と見なされていた。いや、もちろん他人のパソコンを操作することは今でも重罪なのだが。
だがそれが、自分のパソコンだった場合はどうだろうか? 何かしらの理由でメイン機が遠隔地にある場合、それを操作して必要なデータを取り出そうということはしてもいいはずだ。自分の所有物なのだから、これは犯罪でも何でもない。
そうしたことを可能にするアプリはもちろん存在するのだが、それがITライトユーザーすなわち一般層にまで普及しているかは別問題である。
国際的IT企業が提供
初めてリモートデスクトップを利用したいなら、セキュリティー面で信頼の置ける企業を選ぶべきだろう。
MicrosoftもGoogleも、すでに自前のリモートデスクトップアプリを配信している。これらは無料でダウンロードできる上、接続も簡単である。気軽に試してみることのできるものだ。
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このふたつのうち、より評価が高いのはChromeリモートデスクトップかもしれない。何しろ今の時代、WindowsユーザーですらGoogle Chromeを利用している。すべての機器がGoogleアカウントというものでつながっているのなら、リモートデスクトップもGoogle提供のものを使うほうが手っ取り早い。
つまり言い換えれば、万人がパソコンの遠隔操作を行える環境はすでに整っているということだ。
遠隔操作は「悪」ではない
テレビや新聞などの主要メディアが「遠隔操作による犯罪」ばかり伝えてきたため、それを絶対悪と見なす空気が一般層の間で出来上がってしまった。だが技術というものは人の手によって初めて活かされるものだから、倫理を忘れなければパソコンの遠隔操作も社会の発展に必ず役立つ。このあたり、ドローンや3Dプリンターなどにも当てはまることだ。
また、モバイル機器の進化は現代人の「歩く距離」を伸ばした。自動車をやめて極力ウォーキングをするようになった、という意味ではない。かつては家具と同等の大きさだったパソコンが持ち運べるようになり、しかも街のあちこちにネット環境があるとなると、もはや仕事をするのに特定のオフィスは不要になる。
今までデスクチェアに座っていた時間を、よりアクティブな行動に充てることができるようになった。その中でパソコンの遠隔操作を行えるツールが普及し出した。これは至って自然な流れではないだろうか。
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ビジネス革新に直結のシステム
では国際的IT企業がリリースしているもの以外で、使い勝手のいいリモートデスクトップアプリがあるのか?
iPhoneのAPP Storeで探してみると、多くのアプリが配信されているのが分かる。はっきり言って、玉石混淆だ。中には11万8,800円という超高価格の『Ignition』というものまで。
ただ、ここまで挙げたのはいずれも外国資本の製品だ。だがじつは、日本の有名企業もこの分野に参入している。NTTアイティが提供する『マジックコネクト』がそれだ。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=o82FA428vmo]
このサービスは最近発表されたものというわけではない。だから中には「今更紹介するのか」という感想を持つ読者もいるかもしれないが、先述の通り一般ユーザーの間では未だリモートデスクトップは「ハッカーの仕事」という先入観がある。このシステムの有用性が多くの人に認知されれば、少子高齢化時代を迎えている我が国日本において様々なビジネス革新を生み出すはずだ。
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最新テクノロジーを「文明の利器」にするか「望まれざる凶器」にするかは、使う人間次第である。
【動画】
※早速「Chrome リモートデスクトップ」試してみた!AndroidタブレットやスマホからMacでもWindowsでもパソコンが操作できちゃう!-YouTube
※マジックコネクトとは-YouTube