太陽光発電でアメリカ一のエコタウンをめざす

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2016年11月13日 10:11  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

つい先日、パリ協定が発効した。温室効果ガスの排出量が世界で2番目に多い米国も、2025年までに二酸化炭素やメタンガスなどの排出量を2005年に比べて26〜28%削減する目標を掲げた。地球温暖化防止という全世界喫緊の問題を前に、米国では不動産開発の方針も大きく変わろうとしており、フロリダ州南西部では来年、太陽光を主にクリーンエネルギーのみですべての電力をまかなうというエコタウンが誕生する。

「バブコック・ランチ」と名づけられたこの町、フロリダパンサーや黒熊などの存在も確認され、保護されている広大な自然保護地域に隣接した場所に現在造設が進められている。約6900ヘクタール、東京ドーム約1500個分の土地に、住宅やオフィス、商業施設などが作られる予定で、来年には最初の1100戸が完成。最終的には19500戸の住宅が建設予定で、約5万人の住民が見込まれている。それを支えるのが、地区内に作られた約180ヘクタールの太陽光発電プラントが生み出す74.5メガワットの電力だ。

開発を手がけたのはフロリダ州の大手不動産開発会社、Kitson & Partners。

同じくフロリダの大手電力会社であり、クリーンエネルギーのリーディングカンパニー、NextEra Energy, Inc.の子会社でもあるFlorida Power & Light社との恊働で、省エネ、環境保護、コスト削減が可能なスマートグリッドが組み込まれたインフラを構築した。現在、米国で進行中の最も大きな開発プロジェクトだという。

当開発計画に関してKitson & Partnersの会長兼CEO、シド・キットソンは、

「これからは『持続可能』 ということへの投資が不可欠です。バブコック・ランチは未来の町のモデルタウンとなるでしょう。最初の住民たちは高い意識でまわりの自然環境を守り、共生するという、新しいライフスタイルを築いていくことになると思います」と語る。

同社が目指すのは刷新的省エネ技術を使った、持続可能で健康志向の町づくり。住民が自動車ではなく、自転車や、クリーンエネルギーを使った自動運転の車を使うような町づくりを目指している。

また、その太陽光発電プラントは近隣のコミュニティーにも平均より安価に電力を供給できるほど大規模なもので、シド・キットソンはこのプラントを「人々のエネルギー問題への意識を一気に変えるほどの力を持っている」と誇る。

日本でも環境保護への配慮は近年飛躍的に高まったものの、ビジネスのためには平気で山や森林を切り崩してしまうような開発はまだなくならない。それで土砂災害が起きたり、住処を失ったイノシシや鹿が人里まで出てきて畑を荒らしたりという話も耳にする。また、ようやく電力が自由化されたにもかかわらず、電源構成開示は進まず、消費者が100%クリーンなエネルギーを購入したいと思っても容易ではない。我々ひとりひとりの意識改革も大事だが、社会インフラに携わるような企業はもっと自らの社会的責任を考えて大局的な事業計画を練るべきだ。

バブコック・ランチの開発が成功すれば、米国の、ひいては日本の土地開発のあり方も変わるだろうか。エコタウンの今後に注目したい。

【参考】

https://www.babcockranch.com/townmakers/media/

https://www.babcockranch.com

http://www.huffingtonpost.com/entry/this-florida-development-wants-to-become-americas-most-sustainable-town_us_577bd4c7e4b09b4c43c11ef0

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このニュースに関するつぶやき

  • 最近知ったんだがパネル作る→設置→20年でパネル製造に元からかかるエネルギー(石油)が得られる太陽光電気を石油換算した量よりも未だ大きいらしいね。
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