歯周病になりやすい男性の職業が明らかに

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2016年11月18日 12:01  QLife(キューライフ)

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工場勤務や運転手など、高い発症リスク

 歯周病は、口腔内の細菌が引き起こす炎症性疾患。進行すると、歯を支える土台が溶けて歯が動くようになり、最悪のケースでは歯を抜けてしまうことも。自分の歯を失わないためにも、歯科医院で定期的にメンテナンスをしているという方もいるでしょう。

 歯周病の発症には、学歴や職業、経済力といった社会経済的要因も関係しているという指摘があります。学歴や職業、経済力は、社会階層の代表的な指標です。先進国においては、社会階層による健康問題の格差が広がっており、近年は格差の解消が喫緊の課題とされています。

 そこで、岡山大学病院予防歯科の入江浩一郎講師、愛知学院大学、三重大学の共同研究グループは、歯科検診の受診者3,390人(男性2,848人、女性542人)を対象に5年間の追跡研究を実施しました。その結果、男性では、専門的・技術的従事者と比較して、運輸・通信従事者は2.74倍、生産工程・労務従事者は2.52倍、販売従事者は2.39倍、歯周病の発症リスクが高いことが判明しました。

女性の発症は職業に左右されず

 これらの職種は、長時間労働や、十分な睡眠や休息が取れない傾向にあり、職業に由来する精神的なストレスも高いことが報告されています。職業による精神的なストレスは歯科保健行動に悪影響を及ぼすことが知られており、職業間における歯科保健行動の違いが、職種によって歯周病発症のリスクが異なる原因になったと推測されます。

 一方、女性の結果を見ると、職業と歯周病の発症との間に有意な関連は見られませんでした。女性は男性に比べ、健康に対して気を遣う傾向にあるため、社会経済学的要因の影響を受けにくいものと考えられます。

 厚生労働省によると、2014年度の「歯肉炎及び歯周疾患」の総患者数は、331万5,000人。前回調査(2011年度)より65万人以上増加しており、患者数は今後も増えることが予想されます。今回の結果を受けて、研究グループは「今後の成人期における歯科保健では、発症リスクが高い職種の人に対しては、定期的な歯科検診と歯科保健指導の実施が強く推奨されるべきと考えます」と述べています。(菊地 香織)

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  • 歯周病というのは 口内の健康に無関心で日ごろのケアをしていない人間がなりやすい 職業というより無知の産物
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