同棲中の彼氏は、いわゆる「ヒモ」。別れ話を持ちかけても、家を出て行ってくれないーー。そんな相談が、Yomiuri Onlineの「発言小町」に寄せられました。トピ主の賃貸マンションに彼氏が住むようになり、半年が過ぎましたが、お金がない彼氏との生活に負担感が増してきたようです。
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トピ主によれば、「彼氏は自律神経失調症のため、無職です。言葉は悪いですが、いわゆるヒモ状態です」。そして「お金がないので、働きたい」と彼氏が言い始めた時には「スーツ、靴など私が買い揃えました」。ところが、就活を始める様子はありませんでした。貯金も底をついてきたため、別れ話を切り出しましたが、「家をでてくれません。（中略）恐喝じみたことまで言います」。
同棲相手との別れは、「出て行っていかない」というトラブルに発展することは珍しくありません。トピ主の彼氏も「居住権」を口にしているようですが、彼氏を追い出すための法的な根拠はあるのでしょうか？理崎智英弁護士に話を聞きました。
（この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです。トピ「同棲中の彼氏と別れたい」はこちらhttp://komachi.yomiuri.co.jp/t/2016/1106/783893.htm?g=15）
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●彼氏がマンションに居座る権利はない
彼氏が居座る法的根拠としては、彼女との間の「使用貸借契約」に基づく権利が考えられます。「使用貸借契約」とは、貸主が借主に対して無償（タダ）で物を使わせてあげるという契約です。
今回のケースでいえば、トピ主さんは、彼女が契約している部屋を彼氏にタダで使わせてあげていますので、彼女と彼氏との間では、彼女が借りている部屋について「使用貸借契約」が成立していることになります。
ただ、「使用貸借契約」は、契約で定めた目的に従った使用が終了したときに終了します。契約が終了した場合には、借主は目的物を返還しなければなりません。
トピ主さんが彼氏を家に住まわせる「使用賃貸契約」が成立した理由は、交際中であることを前提として、彼氏の面倒を見てあげるという点にあろうかと思います。そのため、彼女のほうで彼氏と別れたいと思えば、以後、彼女は彼氏の面倒を見てあげる必要はありません。
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そこで、使用貸借契約で定めた目的に従った使用が終了することになりますので、彼氏がマンションに居座る権利はなくなるということになります。
当然、彼氏が主張する「居住権」という権利は、彼氏にはありません。
●「出て行かない」と言われてしまったら？
前述したように、トピ主には、交際が終わったことにより「使用貸借契約」が終了したことを理由に、彼氏に対して、マンションから出て行くよう求める権利があります。ただ、任意の交渉によってはマンションから出て行こうとしない場合には、最終的には、裁判所に対して、建物退去の訴訟を起こす必要があります。
なお、トピ主の判断で、物件の賃貸借契約を終了させることは自由です。
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そもそも、「使用貸借契約」は賃貸借契約の存続が前提となっています。「賃貸借契約」が終了すれば、彼氏との間にある「使用貸借契約」も当然に終了します。彼氏に認められていた「使用貸借契約」に基づく権利も消滅し、トピ主が彼氏から何らかの法的責任を問われるといったこともありません。
【取材協力弁護士】
理崎 智英（りざき・ともひで）弁護士
一橋大学法学部卒。平成２２年弁護士登録（６３期）。東京弁護士会所属。弁護士登録時から離婚・男女問題の案件を数多く手掛ける。NAVERまとめの「イケメン弁護士三十選」に選出されたこともあり。
事務所名：高島総合法律事務所
事務所URL：http://www.takashimalaw.com
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このニュースに関するつぶやき
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精神科で働いていたころ、こう言う事案結構あったなぁ。精神障害者と付き合ったんだからこうなるのは火を見るよりも明らかなのに恋は盲目と言ったところか。
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