「ノー残業デー」、実施企業は2割弱にとどまる

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2016年11月29日 12:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

半数以上の企業は制度自体なし

 東京都の小池百合子都知事が、“ライフ”・ワーク・バランスの実現に向けた取り組みとして、「超過勤務縮減策」を取り入れることを宣言しました。全職員が午後8時までに完全退庁するよう促すもので、10月中旬から始まっています。民間企業でも、「ノー残業デー」や「フレックスタイム」の導入など、労働時間を短くする動きが広まっていますが、現状はどうなっているのでしょうか。

 株式会社マーシュでは、全国の20〜50代の男女320人を対象に「残業時間に関するアンケート調査」を実施。その結果、「ノー残業デー」の制度があると答えた人は37.8%で、そのうち、「実施されている」と答えた人は23.4%にとどまることがわかりました。一方で、「制度はない」と答えた人は57.2%と半数を超えており、民間企業では“絵に描いた餅”に近い現状が明らかになりました。

 「ノー残業デー」の有無は、企業の規模によっても大きな差があり、大企業(従業員数300名以上)では55.1%が「制度がある」と答えたのに対し、中小企業(従業員数300名未満)では20.6%という結果。さらに、実施されている割合を見ると、大企業は36.3%、中小企業は10.6%となっており、約3倍もの差が生じています。

“過労死ライン”を越える残業、1.3%

 個人の残業時間に目を転じると、1か月あたりの平均残業時間は、「5時間未満」(19.4%)が最も多く、「10〜20時間未満」、「5〜10時間未満」の順で続きます。時間外労働に関する労使協定「36協定」で定められた上限の45時間を超えている人は7%。なかには、“過労死ライン”とされる「80時間以上」と答えた人も1.3%と、少数ながらいることがわかりました。

 一方、「残業はない」と答えた人は全体の21.3%。性別でみると、男性が15.0%、女性が27.5%と、女性の方が多い傾向にあります。自身の残業時間について多いか少ないかの意識を尋ねたところ、「多い」と感じている人は26.2%、「少ない」と感じている人は32.3%で、「もっと働ける」と思っている人が多いようです。

 「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」という言葉が登場して久しいですが、労働環境を巡っては「サービス残業」や「ブラック企業」など悪化を表す言葉の方が目につくような気がします。仕事も家庭も充実した暮らしを実現するためには、企業の規模に関わらず、現状を変えてゆくことが求められます。(菊地 香織)

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  • 「残業するな」ではなくて「どうすれば残業しないで済むか」考えるべきだと思う。
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