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低ければ低いほどいい、LDLコレステロール低下療法の安全性と有効性を検証

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2016年11月30日 18:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

米国心臓学会でエボロクマブを用いたGLAGOV試験結果を発表


東邦大学医療センター大橋病院循環器内科の中村正人教授(右)、日本大学医学部附属板橋病院循環器内科の廣高史教授

 動脈硬化の主要原因の1つとされる血液中の過剰なLDLコレステロール。これまで30以上の大規模臨床試験が行われ、LDLコレステロール低下と心血管イベントの抑制の関係が明らかにされてきました。これによりLDLコレステロールは、「低いほどいい(the lower, the better)」という考え方は広く知られるようになりましたが、心血管イベントを経験した2次予防治療中の患者さんの約4割が管理目標値に達していないという現実も明らかになっています。

 何らかの理由でLDLコレステロールが140mg/dLより高くなってしまった状態は「高コレステロール血症」と呼ばれます。その治療薬であるPCSK9阻害薬「エボロクマブ」(商品名:レパーサ)を用いたGLAGOV試験の結果が、2016年11月12〜16日に開催された米国心臓学会学術総会(AHA)で発表されたことを受け、同薬を製造販売するアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社がプレスセミナーを開催。東邦大学医療センター大橋病院循環器内科教授の中村正人先生と日本大学医学部附属板橋病院循環器内科教授の廣高史先生を招き講演が行われました。

プラークの破たんが起こす血栓が危険

 動脈硬化は、動脈内が狭くなったり、詰まらせたりすることで、臓器の働きを低下させ、脳梗塞や心筋梗塞、胸部や腹部の大動脈瘤を起こしやすくします。血管の内面にコレステロールが沈着してできるお粥のような柔らかい塊をプラーク(粥腫:じゅくしゅ)といい、線維性の被膜で覆われています。表面の被膜が破れ粥腫が破たんすると血栓の原因となり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金となります。

 こうした動脈硬化の状態を調べるために、血管内イメージングという検査があり、超音波を利用した血管内エコー法や、近赤外線による光干渉断層図法、可視光線による血管内視鏡などさまざまな方法が開発されています。血管内イメージングによりプラークの断面積からプラーク体積を求めることもでき、LDLコレステロール低下療法の効果評価にも利用されています。11月15日に米国心臓学会で発表された第3相冠動脈血管内超音波造影試験(GLAGOV)でも使われました。

 GLAGOV試験は、冠動脈疾患の患者に対して最適用量のスタチン療法にエボロクマブを上乗せした臨床試験で、中用量から大用量のスタチン療法を受けていた患者さんのうち、約3分の2の患者さんに更なるプラークの減少が認められました。

 中村正人先生は、GLAGOV試験に結果に関して次のように要約されています。「スタチン投与後4週間の安定期間をおいた上で、エボロクマブ420mgを月1回18か月投与した場合、LDLコレステロール値が93mg/dLから平均36.6mg/dLに低下させることができました。またプラーク体積の変化量も約1%程度低下し、スタチン単独療法よりエボロクマブ併用療法のほうがプラークの縮小が認められました。安全性に関しても問題ありませんでしたが、臨床で使うための評価する試験は実施中のため結果を待ちたいと思います」

 また、PCSK9阻害薬はどういう患者さんに使うといいかという質問に対し廣高史先生は次のように述べています。「投与対象となる1番目の患者さんは、家族性高コレステロール血症です。次に1度心筋梗塞を起こし治療している中で2度目の心筋梗塞になったようなリスクの高い患者さん、そして合併症として糖尿病や慢性腎臓病を患っている患者さんは2回目が起きやすいため、コレステロール値が下がっていても、更に下げるために使いたいと考えます。また、血液検査の結果だけではなく、発症していなくてもプラークがあるだけで、リスクが高いと考えPCSK9阻害薬を使おうという機運が高まっています」

 PCSK9阻害薬は、さまざまな可能性を秘めており、さらなるエビデンスの集積が期待されます。(QLife編集部)

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