アメリカで話題の太陽光電力アダプター・プラグ「SunPort」【後編】 開発者が語る「ソーラー革命」への夢

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2016年12月02日 11:20  FUTURUS

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エネルギー問題で争うことのない、自由と調和のユートピアをめざして

アメリカで話題の太陽光電力アダプター・プラグ「SunPort」。コンセントに差し込むだけで100%の太陽光電力が使えるようにするという、世界初のプラグイン・スマートグリッド太陽光電力デリバリーシステムだ。最終回では開発者、ポール・ドロージュ氏に、その刷新的な発想力とビジネス手腕を培った背景、および人生観について語ってもらった。

――どうしてこの仕事を始めようと思ったのですか? クリーン・持続可能エネルギーという分野の仕事をしようと思ったきっかけは?

もともと電力関係の業界にいて、電気装備品を商業、産業、電気・ガス・水道会社に販売する会社を経営していました。そのうちさまざまな再生エネルギーのプロジェクトもやるようになり、太陽光発電の業界とも一緒に仕事をするようになったのです。それで、ある太陽光のカンファレンスに参加したとき、この仕事に携わる人でさえ、ソーラーパネルを持っている人はわずか少数しかいないことを知りました。まさにこのとき、太陽光電力をもっと手軽に、手頃な価格で使えるようにしたいと思ったのです。

――小さいときはどんな子どもでしたか?

私は60−70年代のアメリカで育ちました。父はメインフレーム・コンピューターが全盛期の時代の、IBMのエンジニアでした。70年代初期、10代の頃に、アラブの石油禁輸による「エネルギー危機」というものを体験し、それがきっかけとなったのか、エネルギーや電気、テクノロジーといったものに興味を持ちました。

――いまの仕事につながっていると思われる子どもの頃のエピソードを、ひとつ挙げていただけますか?

父は家の地下に電子関連の店を持っていて、そこで父と一緒にさまざまな取り組みをしたのを覚えています。そんなに面白い、大した仕事をしたわけではないのですが、色のついたコードの束でレジスタを分類し、それらを回路基板に半田付けするのを覚えたのを覚えています。

尊敬するのはエジソンとテスラ。無線送電の実現が夢。

――尊敬している科学者はいますか? 理由も教えてください。

子どものころはエジソンに夢中でした。まだ子どもなのに事業を起こし、お金を稼ぎ、他の人のアイデアをうまく改良して自分のものにする才覚があった。すごいと思いました。また、後になってニコラ・テスラのことを知り、その電気に関する知識、創造性に強い印象を受けました。テスラをすごいと思ったのは、最初の原則からソリューションを導き出し、実験室でそれを作り上げる力です。

――科学とテクノロジーで夢を実現することができるなら、どんなものがいいですか?

ニコラ・テスタが夢見たように、大量の電気を無線で送電したいです。次が実用的なテレポートですね。

――次世代の開発者たちに残したいものは?

創造性を使うこと。意義ある違いを世界に生み出し、みんなの生活をより良くできるようなものを作り上げるのに必要な勤勉さ。

――仕事で目指していることは?

役に立つことを見つけ、それがユーザーに価値をもたらすような仕事をすること。そしてそれがビジネスとして成り立つようにすることです。

――あなたにとって理想的な社会とは?

みんながそれぞれ最も得意とすることを行い、お互いに和を保ち、自然と調和して生きる社会です。

――あなたの人生に影響を与えた本あるいは映画を教えてください。

読書も映画も大好きで、好きな作品が多すぎてひとつだけ挙げるのはむずかしいな。強いて挙げるなら、ベンジャミン・フランクリンの自伝ですかね。ベンジャミン・フランクリンはとても勤勉で才覚に富んだ人物でした。彼は科学者、発明家で作家、出版者、起業家、政治家といったたくさんの顔を持つ人で、また世の中に大きな影響力を持つ賢者でした。同時代の人に大きなインパクトを与えただけでなく、アメリカ合衆国を作り上げるのに枢要な役目を果たしたという意味で、後々の世代にとってもインパクトを持ち続ける存在です。

――あなたの人生に影響を与えた先生、同僚、友人といった人がいますか?

中学校のとき、科学の授業を面白く、わくわくするようなものにしてくれた科学の先生を覚えています。先生は生き生きとした授業で生徒の関心を集め、我々が学び、理解できるよう熱心に教えてくれました。彼の科学への情熱は生徒にも伝わって、私は科学を学ぶのが大好きになったし、物事がどのように作用するのか学ぶことが大好きになりましたね。

手軽に安価なエネルギーをみんなの手に

――SunPortを通じて作り上げたい世界とは?

SunPortが太陽光発電や他の再生エネルギーが主な電力となるような世界を作る一助になればと望んでいます。みんなに手が届くような選択肢があって、太陽光のような地球に優しいエネルギーを誰もが自由に選べる世界の実現を願っています。安くていいエネルギーが誰でも入手でき、エネルギー価格が安定し、エネルギー問題で争うようなことが減り、みんながより健全な環境にいられる世界。それはつまり、みんながより自由で、みんながより豊かに繁栄できる社会ということです。手軽に安価なエネルギーを誰もが得られるようになれば、エネルギーは富裕な国だけの贅沢品ではなくなります。それは誰にとってもエキサイティングな未来です。(了)

【画像】

※すべてSunPort社提供

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