がん検診、理想と現実にギャップあり

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2016年12月06日 12:00  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

配偶者に受診してもらいたい人は8割、実際は?


画像はリリースより

 大切な人には健康でいてほしい。誰しもが願うことです。家族を持つ人はなおさら、夫や妻、子どもたちの健康を自分のこと以上に考えることでしょう。最近では、“健康”の贈り物として「人間ドック」のギフト券も登場するなど、健康への関心がますます高まっています。

 味の素株式会社が全国の20代以上の男女8,564人を対象に実施した「がん予防に関する意識調査」によると、既婚者の約8割が「配偶者にがん検診を受けて欲しい」と回答。やはり、身近な人を思いやる気持ちは強いようです。しかし、「実際に受診を勧めた」と答えた人は半数以下にとどまり、思いと行動が一致していない現状が浮かび上がります。

 夫や妻にがん検診を受けてもらいたい理由は、男女とも1位は「健康でいてほしいから」で、2位「長生きしてほしいから」、3位「早期に発見すれば治るかもしれないから」と、同じ理由が挙げられました。女性は「経済的な支えがなくなる不安があるから」と答えた人も多く、大黒柱である夫ががんになることで、家計に与えるダメージが大きいことがわかります。

受診の障害になるものは、「手間」と「時間」と…

 がんは日常生活に大きな影響を与えますが、8割以上の人は「がんは怖い病気」と認識する一方、「早期発見で対処できる」と楽観視もしているようです。検診を受ける頻度については、約7割の人が「1年に1回以上が理想」と答えていますが、実際は、約4割の人が「全く受診していない」と答えており、ここでも理想と現実にギャップが生じています。

 では、何が受診の“障害”になっているのでしょうか。「何が改善されれば、よりがん検診を受診しますか」という質問に対して、7割の人が「金額」と回答。次いで、「受診までの手間」、「所要時間」と続きます。検診費用については、自治体が補助しているケースもありますが、住む場所によってバラつきがあるのが現状で、地域格差の解消が求められます。

 今回の調査結果を受けて、日本人間ドック学会の山門實副理事長は「身近な人が大事な人にがん検診を受診するよう働きかけることで、がん検診の受診率が向上する可能性があることが示唆されました。夫から妻へ、妻から夫に対して、がん検診をするよう働き掛けるきっかけを作ることが有効です」と述べています。(菊地 香織)

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