立ち小便後、下半身「しまい忘れた」警部補逮捕…「社会の窓」の閉め忘れも犯罪?

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2016年12月10日 08:32  弁護士ドットコム

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路上で下半身を露出したとして、愛知県警の男性警部補が11月下旬、公然わいせつの疑いで書類送検された。


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報道によると、警部補は10月中旬深夜、名古屋市中区の路上で下半身を露出した疑いが持たれている。当時、泥酔して路上で立ち小便したあと、ズボンのファスナーを閉めずに下半身を露出したまま歩いていたという。


警察の調べに「(下半身を)しまい忘れた」と話したということだ。なんともズボラな話のように聞こえるが、一方で、いわゆる「社会の窓」(ズボンのファスナー)の閉め忘れは経験したことがある人もいるだろう。


うっかり下半身を「しまい忘れ」てしまった場合や、社会の窓を閉め忘れた場合も、罪に問われる可能性はあるのだろうか。刑事事件にくわしい寺林智栄弁護士に聞いた。


●「わざと」でなければ罪に問われない

「うっかり『しまい忘れ』た場合、該当する可能性があるとすれば、公然わいせつ罪が考えられます。


しかし、公然わいせつ罪は『故意犯』と呼ばれるもので、『わざと』下半身をしまっていなかった場合でなければ犯罪に該当しません。


『しまい忘れ』の場合、『わざと』とはいえないので、公然わいせつ罪に該当すると判断するのは難しいように思います」


うっかり「しまい忘れ」ていた場合は問題ないのだろうか。


「たとえば、『しまい忘れ』て歩いていた場所が女性が多い場所であったり、『しまい忘れ』の状態で不審な挙動をとっていたりする場合、最終的に処分されずに釈放されるとしても、今回の警部補のように、『わざと』出していたのではないかという疑いをかけられて、いったん逮捕されてしまう可能性も否定できないでしょう」


下半身はしまい忘れていなかったけれど、「社会の窓」を閉め忘れていた場合はどうだろうか。


「単に、ファスナーが開いていただけの場合であれば、何の罪にも問われません。ただ、周りの人は目のやり場に困ることとなるでしょう。何より、自分自身がかなり恥ずかしい思いをすると思うので、細心の注意を払った方がいいですね」


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
寺林 智栄(てらばやし・ともえ)弁護士
2007年弁護士登録。東京弁護士会所属。法テラス愛知法律事務所、法テラス東京法律事務所、琥珀法律事務所(東京都渋谷区恵比寿)を経て、2014年10月開業。刑事事件、離婚事件、不当請求事件などを得意としています。
事務所名:ともえ法律事務所
事務所URL:http://www.tomoelaw323.com/


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  • 警察幹部が必死に考えた言い訳を、犯人の警部補が言わされているだけのことだろウヨ。
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