新聞・雑誌・ネット 池上彰と佐藤優が教える最強のインプット術

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2017年01月12日 19:02  新刊JP

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新聞・雑誌・ネット 池上彰と佐藤優が教える最強のインプット術
知識がないのに知ったかぶりをしている人に、偏った情報に凝り固まった人。こういった人の話の何とも言えない薄っぺらさは、きっと多くの人が経験上わかっているはずだ。

知識や情報それ自体には意味がない。とはいえ、質の高いアウトプットやコミュニケーション上の説得力には、知識と情報が不可欠なのもまた真実である。その意味では、「いかにインプットするか」について、自分なりの方法を持っておくべきだろう。



■毎日10紙以上読む池上彰、佐藤優がすすめる「最強の新聞の読み方」

池上彰氏と佐藤優氏という日本を代表する知識人2人は、『僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意』(東洋経済新報社刊)で、自身の情報インプット術を明かしている。

池上氏も佐藤氏も、10紙以上の新聞に日々目を通しているが、一般人がここまでやるのはさすがに難しい。ただ、両者は一般の読者にも「複数紙を併読してほしい」としつつも「時間が取れない人は2紙でもいい」としている。

その意図は、情報や論調のクロスチェックだ。情報源が一つだけだと、どうしてもその論調に影響されやすくなる。視点の違う2誌を読み比べることで、こうした偏りを少なく留めることができる。

■「見たくないものは見えない」ネットで情報収集することの最大の弊害

この「新聞は紙で、併読」という習慣は、ネット全盛の今こそ身につけておくべきものかもしれない。

「プリズム効果がある」と佐藤氏が語るように、ネットは特定の情報が大きく見え、別の情報が見えなくなる空間だ。

興味のある記事をクリックするというインターネットの性質上、えてして情報収集は「見たくないものは見ない。自分の意見と近いものや自分の意見を補強する情報を探す」という方向に向かいやすい。これでは、やはりインプットされる情報は偏ってしまう。

見たくない記事や自分とは相容れない意見が否応なしに目に入る紙の新聞はアナログだが、アナログなりのメリットは確かに存在する。

■池上・佐藤はなぜ雑誌を読むのか

知は、本来長い時間をかけて広げ、深めていくもの。となると、偏りのない情報を得るだけではなく、知識の幅を広げ、深めていくことも重要だろう。

特に知識を広げる点において、池上・佐藤両氏がともに「役立つ」としているのが雑誌だ。

やはり、一般誌・専門誌合わせ10誌以上に目を通す両氏だが、その狙いは興味や関心、視野を広げ、世の中のおおまかなトレンドをおさえること。目に入るままページをめくっていると意外な情報に出会うことがあるという雑誌の特性は、大いに生かすべきだ。

ただ、雑誌の場合、あくまで「娯楽として読む」という遊び心も必要。あまり堅苦しく考える必要はない点も指摘している。



ここでは、新聞や雑誌、そしてインターネットにおける池上・佐藤両氏の一般的な情報収集術を紹介したが、具体的に何を、どう読んでいるのかということも本書では詳しく明かされている。

特筆すべきは、両者ともにどんなメディアにも利用価値を見出している点だ。そこには「読売は政権の機関紙」「朝日は反日」といった、ネット上でよく見かける決めつけも、「タブロイド誌は信用できない」「スポーツ紙は内容が薄い」などの一般論も存在しない。あるのは、「それぞれの媒体をどう読めば有益な情報を得られるか」という視点だけだ。

自分に合ったインプット方法を見つけ、深みのある知識を作っていくために、自らの知を肥やすことに多大な努力をしている二人のやり方は参考になる点が多いはずだ。

(新刊JP編集部)

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