“ゲーム”で高齢者の認知力と抑うつ気分が改善

1

2017年01月25日 12:02  QLife(キューライフ)

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

QLife(キューライフ)

認知機能は加齢とともに低下


画像はリリースより

 新たに開発した「処理速度トレーニングゲーム」を4週間実施した高齢者グループは、同様に知識クイズを実施したグループよりも処理速度と抑制能力が向上し、抑うつ気分が低下することが、東北大学の研究で明らかになりました。

 発表したのは、東北大学学際科学フロンティア研究所の野内類助教と、同大学加齢医学研究所の川島隆太教授を中心とするグループ。川島教授は“脳トレ”ブームの火付け役としても有名で、研究グループはこれまでも、「サーキット運動を4週間実施すると、高齢者の記憶能力などが向上する」、「音読・計算トレーニングを5か月実施すると、高齢者の実行機能が向上する」など、高齢者の認知機能に関する研究成果を発表しています。

 認知機能は、情報を判断したり、覚えたりする心の働きですが、加齢とともに低下していきます。認知機能の低下は、車を運転する際に判断力を鈍らせるなど、高齢者の日常生活に大きな影響を与えます。本研究では、認知機能のなかでも、情報を速く、正確に処理する能力「処理速度」に着目。タブレットPCで行うトレーニングゲームを新たに開発し、エビデンスレベルの高い無作為比較対照試験を用いて効果を検証しました。

わずか4週間で効果あり

 研究対象となったのは、精神疾患、脳疾患、高血圧の既往歴がない健康な高齢者72人。処理速度トレーニングゲームをする「処理速度群」と、漢字の読み方などの知識クイズゲームをする「クイズ群」に半数ずつ分けて、タブレットPCを使ったゲームを4週間(週5回以上1日15分)行ってもらいました。

 トレーニング介入前後に認知機能検査や感情状態などを聞く心理アンケートを実施。その変化を計測したところ、処理速度群の方がクイズ群よりも、処理速度と抑制能力が向上し、抑うつ気分が低減していることがわかり、4週間という短期間であっても、効果があることが実証されました。

 処理速度トレーニングは高齢者でも取り組みやすいことから、研究グループでは「高齢者の認知症予防や認知機能の維持・向上のためのツールや、高齢者の抑うつ気分の低減・精神的健康の改善ツールとしての応用が期待できる」としています。(菊地 香織)

関連リンク

⇒元の記事を読む

このニュースに関するつぶやき

  • いい話 ^^
    • イイネ!4
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングライフスタイル

前日のランキングへ

ニュース設定