がまんできなくなってからでは遅い?変形性関節症の痛み

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2017年02月03日 18:01  QLife(キューライフ)

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痛みのせいで、「ふだんの自分でいられない」


島根大学医学部 整形外科学講座 教授 内尾祐司先生

 膝や股関節、足などの関節にある軟骨がすり減り、骨と骨がこすれることで関節が変形し、炎症や痛み、こわばりなどが起こる変形性関節症。なかでも膝の変形性関節症は患者数が多く、40歳以上男性の42.6%、同じく女性の62.4%が該当するというデータも。塩野義製薬株式会社と日本イーライリリー株式会社は、「変形性関節症の痛みに対する患者・医師の意識・実態調査」を実施。その調査結果を公表しました。

 調査結果によると、ふだん家事をしている変形性関節症患者の約6割が、掃除・洗濯・料理などの家事をするうえでの支障が「ある」と回答。さらに、家事に支障があると答えた患者のうち半数以上が、痛みが理由で「ふだんの自分でいられない」と感じているとのこと。関節の痛みが日々の活動だけでなく、気持ちの面でも影響を及ぼしているようです。

 また、痛みを感じてから病院の受診まで3か月以上かかった人が42.1%と、痛みをがまんしていた人も相当数いました。その理由として、「そのうち痛みが治まると思った」「痛みがずっと続くわけではなかったから」「病院にいくほどではなかった」「年齢的な体の衰えや運動不足が原因だと思った」などがありました。

痛みをとって、再発防止につながる「よい循環」へ

 変形性関節症の原因は、加齢や運動不足で筋力が低下し、関節にかかる負担が増えること。そのため、治療は運動、体重管理と生活習慣の改善、筋力トレーニングが中心になるそうです。しかし、痛みが強くては運動や筋トレどころではありません。

 調査結果に関するプレスセミナーで講演した、島根大学医学部整形外科学講座教授の内尾祐司先生は、「変形性関節症の治療で目指すのは、まずは痛みなどの症状の緩和・除去です。ところが、変形性関節症による痛みには、患部の炎症による痛みのほかに、刺激を痛みと感じにくくする“痛みのブレーキ”がきかなくなって、わずかな刺激も痛いと感じてしまう、ブレーキの機能異常による痛みもあります」と痛みの種類が複数あることを解説。特に、膝の変形性関節症治療では、痛みのコントロールが鍵になるとのこと。

 痛みを和らげることで、運動や筋トレができるようになり、関節周囲の筋肉が鍛えられて軟骨が保護できるようになると、痛みの再発を抑えることができます。「治療で痛みをとることで、この“よい循環”に入ることが大切です」(内尾先生)

 関節の痛みはがまんせず、早めの受診を心掛けたいものですね。(QLife編集部)

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  • 明日、膝の古傷の幹細胞移植の治療方法を探りに都内に行ってきます。自由診療なのですが日帰りでリハの期間も2,3週間と短いみたいです。変形後も治療できるようですよ。
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