乃木坂46 白石麻衣の写真集『パスポート』の意味 36歳DJが5000字レビュー

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2017年02月15日 21:01  KAI-YOU.net

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乃木坂46 白石麻衣の写真集『パスポート』の意味 36歳DJが5000字レビュー
アイドル界、そして写真集界に激震を起こすことになるであろう、乃木坂46白石麻衣さんの2ndソロ写真集『パスポート』が、2月7日にリリースされました。

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私、トーニャハーディングは乃木坂46のファン活動の合間を縫って音楽活動をし、また温泉地をはじめ全国の様々な場所でDJもさせていただいております。

私はこれまで乃木坂46グループ全体、また各メンバーの写真集はすべて購入し、白石さんの1stフォトブック『MAI STYLE』、伊藤万理華さんの『STUDY 別冊 FREE ALL ANGELS』など、写真集に近い形態の書籍もなるべく手に入れるようにしてきました。

そんな乃木坂46好き/写真集好きの私が、発売前から大きな話題となり、現在、累計発行部数18万部を叩き出し、書店でも品薄状態が続く写真集『パスポート』をレビューします。

※本記事では一部のネタバレを含みますが、先行カットとして公開されているページのみ撮影してお送りします

文:トーニャハーディング 編集:コダック川口

生まれてはじめて味わった「推しメンの卒業」



白石麻衣さんの『パスポート』を手に入れるまでに、乃木坂46と私との間に起こった出来事からお話しします。

2016年10月、メンバーの橋本奈々未さんの2月20日をもっての卒業発表を知った朝、私は仕事を休みました。推しメンである深川麻衣さんの卒業から4ヶ月、こんなにも早く、グループを支える重要なメンバーが卒業を発表するとは思わなかった。



幸運なことに、私は深川さんの地元・静岡で行われた卒業コンサート(卒コン)のチケットが当選し、卒業を見届けることができました。本当にメンバーや関係者から愛される人であった深川さんの、まさに愛情に満ちあふれた卒コンは心底感動的であったと共に、一方で生まれてはじめて味わう「推しメンの卒業」という事態に向き合いきれず、私は卒コンの記憶の大半を、数ヶ月間、失っていました。

深川さんが女優として次のステップへ向かうことが公表され、ドラマ出演も決まり、できる範囲で応援してゆこうと前向きになれた矢先に橋本さんの卒業が発表されたのです。

乃木坂46『サヨナラの意味』



橋本さんがセンターの表題曲「サヨナラの意味」の歌詞では“サヨナラに強くなれ”と言われ、橋本さんのソロ曲「ないものねだり」では“もう充分でしょう 私ないものねだりしたくない”と言われ、自分の存在を全否定されているような気持ちになってしまい、橋本さんの卒業に真正面から向き合うことをやめました。

卒業発表後に送られてきた、会員限定の橋本さんからのモバメ(モバイルメール)を好意的に受け取ることができないときもありました。私は弱い人間です。彼女はこれまで心身を削って、限界を超えて多くのものを与えてくれたのに……。

写真集のリリースラッシュが続く乃木坂46


福の神がそんな私の心を見透かしたように、クリスマスライブの選抜メンバー日程に落選。橋本さんを見届けるために残された選択肢は、京都の全国握手会(全握)に数時間並んででも参加するか、さいたまスーパーアリーナでの卒コンに当選するしかありませんでした。



病み上がりの身体で年明けのUSJライブに参加し、すべての力を使い果たした私は京都の全握をあきらめました。卒コンはモバイル先行1次、2次、楽天先行、すべてチケットをご用意いただけず、一般販売も2分で完売、橋本さんの卒業に立ち会うことはできなくなってしまいました。

失意のどん底ではありましたが、良いことがなかったわけではありません。年明けライブの座席は、ステージに1番近いブロックAでしたし、中田花奈さんの3年半ぶりの選抜入りにはうれしさのあまり泣き叫び、齋藤飛鳥さんの写真集発売のお渡し会にも当選できました。

そして、乃木坂46は白石麻衣さん、橋本奈々未さん、秋元真夏さん、桜井玲香さん……と、写真集のリリースラッシュが続くことに。当然、全部買うつもりです。写真集界のデアゴスティーニこと乃木坂46をよろしくお願い申し上げます。

「オフショアガール」白石麻衣とは?


ようやく本題に入ります。今回、写真集をレビューする白石麻衣さんは、ソロでセンターをつとめた楽曲は「ガールズルール」の1度のみながら、西野七瀬さんとのWセンターは「今、話したい誰かがいる」に続き、3月リリースの17thシングル「タイトル未定」で2回目。

白石さんは初期こそ2列目ポジションを経験していますが、目立つポジションに立つことが許された「福神」に、すべてのシングルで選ばれ、途中からはつねに1列目をキープ。同様にすべてのシングルで「福神」であるのは他に橋本奈々未さんだけかと思います。

乃木坂46 『オフショアガール』



オフショアガール」というソロ曲や、テレビ出演、雑誌グラビアなど、ソロの仕事も彼女が先陣を切って開拓してきたところがあり、孤高の存在でありながら、メンバー想いで、松村沙友理さんを親友と公言してはばかりません。

また、ファッション誌『Ray』専属モデルもつとめ、アイドル好きの女子大生が選ぶ「なりたい顔のアイドル」ランキングで堂々の1位に。握手会での女性人気もあるようです。

1st写真集『清純な大人』が、グループの写真集『乃木坂派』に続いてソロ写真集としては1番最初に出版されたことを鑑みても、ビジュアル面での活躍を運営に期待されているメンバーであることは間違いありません。

美しさ、過激さ。とにかく「優勝」な白石麻衣さんの写真集



今回レビューする白石麻衣さんの写真集『パスポート』は、ファンの間で発売前から「とんでもなさそうだぞ…」という空気に満ちていました。



先行公開されたカットの美しさ、「(清純派で売っているはずの)乃木坂がこれアリなの!?」という過激さ、それとは裏腹にプロモーションで見せる白石さんの茶目っ気と可愛らしさ。私も先行カットを見て、買う前から頭がおかしくなってしまい、毎日「優勝」と、つぶやいていました。

また、不安もありました。あまりにも美し過ぎるその人は、オフショアに乗って、そのままどこか遠くへ行ってしまうのではないかと……。

発売日に渋谷のTSUTAYAにダッシュで買いに行ったところ、すでに飛ぶように売れていて、オイルショックのときにモミクチャになって日用品を奪い合いながら我先にと買い漁る日本人たちの映像が脳裏をよぎりました。

乃木坂46『ガールズルール』



私が乃木坂46に本格的にハマるきっかけとなった楽曲は、奇しくも、白石麻衣さんのセンター曲「ガールズルール」でした。

グループ結成当初より、周囲のオタクは「乃木坂カワイイ!」「曲が良い!」などと騒いでいましたが、ハロプロ、ももクロ、おはガールなどの現場を経て燃え尽き症候群だった私は、「あ〜はいはい。確かにビジュアルは良いよね」と受け流していたのです。とんだバカヤロウでした。

しかし、DJ仲間たちがしきりにヘビープレイする4thシングル「制服のマネキン」で、楽曲の素晴らしさと機能性の強さにその存在を無視することができなくなり、5th「君の名は希望」で、とんでもないグループだぞ、ということになり、6th「ガールズルール」で私の心は決まりました。

曲が最高で、MVも最高なのです。正直なところ、デビューからこれまでのシングルは全くのスキがないと言っていいほど名曲ぞろいだと思っています。



白石さんの写真集を手に取ります。『パスポート』というタイトル、白石麻衣はパスポートを持ってどこへ行こうとしているのか? それとも、この写真集が白石麻衣を知るためのアイテムとしての「パスポート」なのか?

表紙からしてすごすぎて、なかなか開くのをためらう……ちなみに裏表紙も、カバーをはずした本体もすごいので、本来ならこの数枚だけで朝まで語れるレベルなんです。

それでは話が進まないのでページをめくってゆきます。なんでそんな瞳で見つめるの? 可憐かつセクシーな部屋着のセットアップで。大抵の人間はこんな場面に出会ったことがないので、ここでキョドって入国管理局に弾かれるはずです。ですが、自分のパスポートを信じて何とか進んでゆきましょう。

「知れば知るほど好きになる」甘辛な白石麻衣さん


この写真集では、いろんな髪型で変幻自在な白石さんに出会えます。ウェービーにして少し時代を感じさせたり、前髪を遊ばせてカールさせたり、お団子にしたりストレートで勝負したり。私はストレートだったり、それで片目に大きくかぶせたりしている写真が特にお気に入りです。



ファンの間では「知れば知るほど好きになる白石麻衣」という言葉があります。写真集でこれまで見たことのない新たな表情を知り、また彼女を好きになってしまいました。

紅いバラの花のようなワンピースをまとって、デート気分にさせてくれるページは少しホッとします。でも、すぐにオトナ白石麻衣が難しい目で問いかけてくるんです。「あなた、私について来れるの?」と。ページをめくっていくと、また笑顔。「甘」と「辛」の切り替わりがすごい!

次から次へとセクシーが襲ってくる!


ランジェリー姿でジーンズを履くカットではとても良い笑顔を見せています。昔の、EDWINの女性向けジーンズSOMETHINGのCMを思い出しました。

気を緩めていると、次のページでとんでもなくセクシーな表情でこちらを見つめてきます。しかもジーパンを履くのを途中で止めて。履かないんですか……メチャメチャ綺麗です……。



この写真集のなかでも個人的にかなり好きなショットです。隣のページではジーパンを脱いで仁王立ちしてるので、結局履かなかったんだと思います。私も家ではほとんどパンイチです。

花柄のドレスもとても良くお似合いで素敵です。これがまた人を選びまくる服で、これを着て事故らない人って本当に限られてくると思います。

例えが悪過ぎて大変恐縮ですが、『バイオハザード』みたいで心臓に悪いです。普通に服を着ているページが続くかな……と思っても、次から次へと急にセクシーが襲ってきます。しかもドアップで。

美しいから、ドキドキしながら見るじゃないですか? 好きになるなっていう方が無理な話。しかし、3月に発売される17thシングルの個別握手会の欠席が公式発表されています。スケジュールの都合ということですが、もしかしたら全握もお休みなのかな……無理です、会わせてください。

発行部数13万部の反響のすごさに、思わず写真集から飛び出してしまった白石さん????

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— 白石麻衣写真集 パスポート【公式】 (@mai_westcoast) 2017年1月31日


白石麻衣さんは本当に美しくて素晴らしい。それでも、その美しさにあぐらをかくことなく、持ち前の観察眼と耳の良さでモノマネスキルをいかんなく発揮して場を和ませる。乃木坂を知りはじめた頃は、とっつきにくそうな人だと勝手に決めつけて敬遠してたのですが、いつの間にかすごく好きになっていた。

この写真集にもそんな魅力が詰まっています。

パスポートを持って未開拓の地へ行った白石麻衣の行方


この『パスポート』を読む前に、グループと個人の写真集をすべて読み直してみました。かなり時間がかかりましたが、どれも素晴らしいし、それぞれの個性が出ています。



私は、なかでも生田絵梨花さんの『転調』が大好きで、本当に奇跡みたいに素晴らしい写真集だと思っていて、読むたびに泣いてしまいます。好きなバンドの最高傑作アルバムに出会ってしまったときのような、生ちゃんのこのクラスのものは出て来ないだろうな……と思ってしまえるほどの。



しかし、さすがは乃木坂46。例えば西野七瀬さんの2nd『風を着替えて』では、「こんなにカワイイ生物がいるのかよ! なんだ、ただのガチ恋製造マシーンか…」という感想が出てくる。

西野さんのモバメでは、たまに「え? 俺たちって付き合ってるんだっけ?」と、一瞬思ってしまうときがあるのですが、それを写真集のなかでもたまに出してくる。西野七瀬というフィクションを追いたくなる。そんな風に思ってしまうのです。

これは個人の感想ですが、大雑把にくくると、グループの写真集では修学旅行感、個人の写真集では写真を追うことで擬似恋愛を追体験して楽しむことができます。

今回の『パスポート』にそれを求めることも自由ですが、私はそういったレベルさえ超越している写真集だと感じました。カメラマンの表現、白石麻衣の表現に読者がどこまで向き合えるか?

まだまだ乃木坂46でやるべきことがある」と言う白石麻衣に、受け手の我々は、そしてメンバーは、どう応えるのか? 『パスポート』というタイトルの意味に私ははじめて気付いたのです。

オフショアガールは風に乗って海の向こうへ行ってしまったのではなく、パスポートを持って未開拓の土地へ行き、価値ある多くのものを持ち帰ってきてくれたのだと。

白石さんは巻末のインタビューで「ほかのメンバーにはできないことに挑戦したい」とも語っています。

私は別に他のメンバーにも同じように体を張れなどとは微塵も思いません。それぞれの武器でいい、でも白石さんの覚悟をちゃんと受け取ったメンバーは、また我々に新しい感動をもたらしてくれるに違いない、そう思うのです。
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