マンガ家、編集者ら17人が語る「うつ」というトンネルの抜け出し方―異例のベストセラー『うつヌケ』

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2017年02月15日 23:04  新刊JP

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写真『うつヌケ』(KADOKAWA刊)
『うつヌケ』(KADOKAWA刊)
今、『うつヌケ』(KADOKAWA刊)という本が話題を呼んでいる。

本書はマンガ家の田中圭一さんが、自身のうつ病脱出体験をベースに、うつ病からの脱出に成功した様々な著名人――ロックミュージシャンの大槻ケンヂさんやAV監督の代々木忠さん、小説家の宮内悠介さん、研究者の内田樹さんなどを取材。自身の「うつヌケ」体験を語ってもらうドキュメンタリーコミックだ。

マンガということもあり、とても分かりやすく「うつ」の苦しさやその回復のたどり方を知ることができる。それは、「なぜうつになるのか」「立ち直るきっかけ」「再発のとき」の3つが、どのエピソードにおいても明確に描かれているからだろう。

作者の田中圭一さんは、マンガ家と兼業でサラリーマンとして働いていた。「仕事をしている自分が好き」であるほどの働きづめの毎日を送っていた。転職後は畑違いの仕事をこなすことになるものの、がむしゃらに頑張り、入社すぐに大きな成果をあげる。

これが10年にわたる長いトンネルの入り口だった。

その仕事が自分に向いていないのは分かっていたが、その思いにフタをして「もっとがんばらねば」とハードルを上げる田中さん。しかし、その頑張りとは裏腹に営業成績は落ちていき、会社の人たちからのあたりは厳しくなる。

そんな彼の「うつ」の引き金になったのは「自己嫌悪」だった。

脳が「濁った寒天」に包まれているような感じが続き、医者には「一生もの」のうつと言われた田中さん。それでも休むわけにはいかないと仕事をしていたそうだ。

それからしばらく経って、田中さんはコンビニでとある本を手にする。それは、精神科医自身が「うつ」になり、自ら考えた方法で脱出したという内容だった。そこで、10年にわたり自分を悩ませた「うつ」の正体を知り、自分自身の「うつ」の退治方法を見つける。それは「自分を好きになる」ということだった。

ようやくトンネルを抜けた田中さんだったが、その後、突然「うつ」がぶり返してくる時があった。一体なぜなのか。うつの渦中で記録していた気温と精神状態のグラフから、自分の「うつ」と気温の寒暖差に相関があることを発見する。

自分の「うつ」のからくりを知ったことで、田中さんを包んでいた霧が一気に晴れたそうだ。

田中さんだけではない。本作に登場する人たちの多くは、自分自身の「うつ」の正体に気付くことから、「うつヌケ」のきっかけを得ている。「うつヌケ」を体験した彼らの言葉は、「うつ」に悩んでいる人にとっても、「うつ」の人が身近にいる人にとっても、大いに響くものであるはずだ。

1つのエピソードは数ページでまとめられているが、内容は凝縮されていて、情報量は圧倒的。発売20日で5万部を突破したという異例の売れ行きを見せる本書だが、まだまだ多くの人の目に留まってほしい一冊だ。

(新刊JP編集部)

このニュースに関するつぶやき

  • 小康状態のウツと、再発転移癌と折り合って共生しています。抜けると言うより、病気をなだめて普通に暮らすという感じ。気候によって心身に波があるのは確か、人も自然界の生き物ですから。
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  • おはようございます。週も後半ですね。うつを患った身から言うと、抜けると言うよりは「共存する」に近い気もしますね。いかに小康状態を保ちながら生活すると言うような感じかな。
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