マンガンに「マタニティブルー」の予防効果?

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2017年02月16日 12:02  QLife(キューライフ)

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1,745人の妊婦を調査

 妊娠中、ささいなことでイライラしたり、気分が沈みがちになったりする「マタニティブルー」を経験した方は多いのではないでしょうか。急激なホルモンバランスの変化や、つわりなどの体調不良によって生じる、軽いうつ状態のことで、妊娠初期や出産を間近に控えた後期に発症しやすいといわれています。

 これまでの疫学研究で、亜鉛やマグネシウム、鉄の摂取とマタニティブルーとの関連が調べられてきましたが、はっきりとした結論には至っていません。一方、銅とマンガンについては、過去の研究で予防的な関連が認められていることから、愛媛大学主導の共同研究チーム(国立保健医療科学院、東京大学、琉球大学)は、ミネラルの摂取とマタニティブルーとの関連を調査しました。

 研究には、妊娠中から母親と生まれた子を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用。調査に参加した妊婦1,745人を対象に、うつ病の症状が簡易チェックできる「CES-D(うつ病自己評価尺度)」でマタニティブルーかどうかを判断したところ、19.3%が「うつ症状あり」に該当しました。

1日5.2mg摂取で、発症率が26%低下

 データの中から、亜鉛、マグネシウム、鉄、銅、マンガンの摂取量をピックアップ。摂取量が最も少ない群の有病率を1.00とし、まずは、発症に関係する交絡因子を補正しない解析を行いました。その結果、有病率がもっとも低かったのが銅の0.50倍(摂取量/日1.3mg)で、マンガンは0.66倍(同5.2mg)。亜鉛、マグネシウム、鉄も0.62〜0.68倍となり、摂取量が多いほど、有病率が低下することがわかりました。

 しかし、年齢、妊娠週、うつの既往歴や家族歴、受動喫煙、教育歴など18項目を交絡因子として補正すると、銅は0.73倍、亜鉛は0.84倍、マグネシウムは0.92倍、鉄は0.95倍に上がり、うつ症状との有意な関連は認められませんでした。ただし、マンガンのみ、0.74倍と変化が少なく、統計学的に有意な関連が認められました。

 マンガンは、骨や皮膚の形成や体内を酸化から守る働きなどがあり、豆類やナッツ、茶葉などの植物性食品に多く含まれている栄養素。厚生労働省の「妊婦の食事摂取基準」によれば、1日の目安量は3.5mgとなっています。研究チームでは「さらなる研究データの蓄積が必要となりますが、マンガンを多く含む食品をたくさん摂取することにより、妊娠中のうつ症状を予防できる可能性を示す研究成果」と評価しています。(菊地 香織)

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