18日に放送された『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ)で、異様な光景が放送され話題になっている。
この日、放送されたのは「次世代イケメンだらけアイドル30人大運動会」と銘打たれ、男性アイドルグループ5組が参加。超特急、BOYS AND MEN、Da-iCE、XOXの4グループと、イケメン芸人軍団の5組が、グループ対抗で跳び箱、相撲といったさまざまな競技を競うという企画。地元名古屋で圧倒的な人気をほこり昨年レコード大賞新人賞にもノミネートされたボイメン、ももクロの弟分として売出し中の超特急など、コアなファンを抱え勢いのある男性グループが、地上波ゴールデンの出演とあって、注目が集まっていた。
しかし番組が始まると、旬の男性アイドルたち以上に注目を集めてしまったものがあった。それは番組中、ずっと入り続けた大量の数の"ボカシ"だった。
ボカシといえば、許可のとれていない一般人の顔とか、出演者が収録後に不祥事を起こしてしまったとか、スポンサーの競合商品が映り込んでしまったとか、といった理由で、もとの画像が見えないように隠すために入れられる。
しかし、今回のボカシはそんなレベルではない。たとえば、進行を務めていたナイナイ岡村らマイクの持ち手部分や、進行台本の表紙、レギュラーメンバーの衣装の左胸のタグ......おそらくは番組タイトルやロゴなどが入っているのであろうと思われる部分に、白いボカシがかけられていたのだ。しかも、誰かひとりとか1カ所でなく、進行役をはじめ何人もの出演者なので、放送中ほぼすべての時間にわたって、画面につねに複数のボカシが映っている状態が続いた。
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当然、これには視聴者もイケメンどころではなく、ネットでは「なんでモザイクかかってんの?」「あのぼかし、なんなんだろう」「ぼかしが気になりすぎて、内容がまったく頭に入ってこない」などという声があふれた。
もちろん、サプライズ的な演出というわけでもなく、最後までぼかしの下に何があったのか明かされることも出演者が触れることもなく、番組は終わった。いったい、何があったのだろうか。
実は"ボカシ"によって隠されていたのは、この企画の元のタイトルだった。元々、この日の『めちゃイケ』の特集タイトルは、「ジャニーズ以外だらけの大運動会」というものだったらしいのだ。ところが、ジャニーズからクレームが入り、急遽、すべてのタイトル部分にボカシをいれることになったのだという。
その証拠もある。17日金曜日の『めざましテレビ』でこの番組の告知が放送され、岡村のもつ台本の表紙がちらりと映ったのだが、おそらくボカシ忘れをしたのだろう。そこには、「ジャニーズ以外だらけの大運動会」というタイトルがばっちり書かれていた。
もっとも、この企画、「ジャニーズ以外」といっても、ジャニーズへの敵対心を煽る内容ではなく、どちらかというと自虐的なニュアンス。クレームをつけられるようなレベルのものではない。もしかしたら、番組側が炎上狙いで仕掛けたのでは?と思って、テレビ関係者に取材してみたのだが、どうもそんな呑気な話ではないらしい。
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「この企画は、2011年にやはり『めちゃイケ』で放送した「AKB以外だらけのアイドル大運動会」の男性版。「AKB以外〜」のときも当時一強状態だったAKB以外の女性アイドルグループが多数出演。そこから、菊地亜美や嗣永桃子らがバラエティでブレイクするきっかけともなるなど大きな話題になったので、その二匹目のドジョウを狙ったのでしょう。ところが、収録して少し経った後に、上層部から『タイトルを差し替えろ』というお達しがあったらしい。企画名を知ったジャニーズ事務所からかなり激しい調子でクレームがついたとも聞きました。それで、急遽、タイトルを変えて、収録したVTRに映っていた元々の『ジャニーズ以外〜』というタイトルにボカシを入れることになった」
ジャニーズ事務所といえば、ジャニーズタレントと競合しそうなタレントとくに男性グループに対しては、徹底的に排除してきた歴史がある。ライジングのDA PUMP、w-inds、吉本興業のグレートチキンパワーズなど、出演させないようテレビ局に圧力をかけ、潰してきたのは有名な話だ。AAAが女性メンバーを入れているのも、ジャニーズ対策といわれているほどだ。
ジャニーズの体質を考えると、この「ジャニーズ以外だらけの大運動会」はタイトルはもちろん、企画そのものにクレームが入っていたとしても不思議はない。
しかも、番組内ではとちゅう、SMAPの「SHAKE」をBGMに鳥の着ぐるみを着た謎の人物が乱入。この鳥の着ぐるみは正月に放送された同番組で中居正広が着ていたものだったため、スタジオの出演者たちから中居コールが起きるが、実際の中身は江頭2:50だった......というような、ジャニーズを意識した演出もあった。
「ジャニーズのクレームは凄まじいですからね。絶対に折れない。フジテレビとしても、タイトルを変えるくらいはしないと、抑えきれなかったのかもしれない」(スポーツ紙記者)
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しかし、一芸能プロダクションへの配慮で、天下のキー局がボカシだらけのあんなみっともない番組を垂れ流してしまうというのは......。SMAP解散騒動の余波で、ジャニーズ事務所とテレビ局の関係も少しは改善されるのではないかと思っていたが、このぶんでは、ジャニーズの横暴とテレビの奴隷状態はまだまだ続きそうだ。
(時田章広)
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