【小物王のつぶやき】直感的に理解できない交通標識やスマホのアイコンはアリなのか?

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2017年02月20日 10:01  citrus

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自動車の運転免許の筆記試験には交通標識の問題がある。だから、試験前にはあれを覚えるわけだが、ということは、事前に覚えておかないと標識の意味は分からないわけだ。現に、筆記試験を舐めて全く勉強せずに受けた19歳の私は、見事に落ちたのだった。

 

 

■直感的に分からない交通標識はアリなのか?

 

事故にも繋がりかねない交通標識が、直感的に分からないデザインで良いのかという気もするけれど、車を運転するなら、それくらいは覚えろと言われれば、それはそうなのだ。あれは、公衆に向けたサインではなく、自動車免許を持っている自動車運転者に向けて表示されているのだから、多少の分かりにくさはしょうがないのだろう。地図記号も、多分同じ。地図を読みたかったら覚えろという事だ。楽譜とか、設計図とか、記号を勉強しないと読めないモノはいくらでもある。

 

本当は、小説やマンガ、評論なども、実は読むための基礎知識というのは必要なのだけど、読んでいるといつのまにか習得したりするので、あまり表沙汰になってはいない。最近、通販サイトのレビューなどで、「エンターテインメントなのだから、誰にでも分かるように書かないとダメだ」といった意見を目にするが、エンターテインメントと言えども、それを楽しむためには基礎教養は必要なのだ。そこには、交通標識のような、知っていないと読み解けない記号や暗号に満ちている。

 

 

■デザイン優先のトイレマークに困惑?

 

だから、トイレの性別表示はとてつもなく分かりやすくなければならない。最近困るのは、デザインを優先したのか、男性も女性も同じ色で表示されているケース。ホテルのトイレなど、暗いところに表示があって、暗いところでよく目が見えない私は、本当に困るのだ。いいじゃないか、男は黒か青、女性は赤かピンクで。それがもはや女性性、男性性を表している色でないという議論は、ここでは置いておいて欲しい。何よりも間違えたくないから、ここは伝統を守って欲しい。

 

では、電話マークはどうかというと、これは、どうでもいいんじゃない? と実は思っている。だって、あの記号は何だろうと思ったら、そこに行けばいいのだ。電話があるから。で、「あー、電話なんだ。でも、何故、こんなカシューナッツみたいな記号なんだろう」と思えばいいのだ。調べればすぐ分かる。

 

 

■考え抜かれたiPhoneのフラットデザイン

 

かつて、iPhoneのアプリのアイコンは、やけにグラフィッカルで陰影を使った立体的なものが主流だった。情報量が多ければ、それだけアプリの特長をアイコンに込めることができる。ただ、情報量が多い分、一目でパッと分かるものが少なくなり、また遠目で見た時のトーンが似たものが増えた。アプリの選択は、じっくりやってる時間はない。パッと見て何かが分からないと使いにくいという事を先読みしたアップルは、アイコンはフラットなデザインにすべしとお触れを出した。今の状態は、そのお触れがあったからだ。シンプルなアイコンは、他との区別がしやすいし、パッと見て目的のアイコンを探せる。しかし、そのアイコンを見てアプリの内容を知るのは難しい。実は私は、未だに「連絡先」アイコンが覚えられず、見失うことがある。どうしても、あれが「連絡先」を示しているように見えないのだ。しかし、そのアイコンが何を示しているか知っているという前提があれば、フラットデザインはとても便利。

 

 

■アイコンやマークに求められるもの

 

トイレは、フラットデザインだと嬉しい。凝られてもなあと思う。電話も、もし電話の写真が掲示されていたとしても、それは遠目で見にくいし、公衆電話のデザインを知らなければ、それが何なのか分からないのは同じこと。ならば覚えやすいアイコンにした方がいいだろう。前に、温泉のマークが分かりにくいから変えるという話があった。でも、あれも本当に誰が見ても一目で「あ、温泉だ」と分かるデザインが生まれるならともかく、今あるマークよりも複雑なデザインにする意味は全くないのだ。

 

だって、あのマークの側には、絶対「××温泉」とか書いてあるから。ならば、マーク自体はシンプルな方が覚えやすい。結局、そういう事なのだ。マークの元が何かなんか、実はあんまり関係ない。とりあえず納得できる理由さえあればいい。問題は、見やすくて覚えやすいこと。紛らわしくないこと。知らない、分からないという前に覚えちゃえば早いのだ。結局のところ、勉強するのが一番早くて楽というのを、人は大人になって知るけれど、これ、もう少し早く分かるようにしといてくれなかったかなと、何か遠回りしたような気がする人生を振り返りながら思うよ。

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