「幼児教室に行った方がイイですか?」
よく聞かれるこの質問。わが子の教育には、小さなころから熱心なママが多いなと感じます。中には“0歳からお教室デビュー”する子もいて、幼児教育の市場とその様相は大きく変化しつつあります。
「3歳児神話のウソ・ホント」第2回の今回は、“3歳までに幼児教室に行くべきなのか?”を取り上げます。
筆者が幼児教室の質問を受けたときにママに聞くのが「あなたは小さい頃、幼児教室に行きましたか?」ということ。
大半のママは「小学校から公文に」「年長さんからピアノを」などと何らかの経験を教えてくれますが、0歳〜3歳の乳幼児期に習い事をしていたというママはほとんどいません。ママ自身が経験していないのに、気になってしまうのは理由があるのです。
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(1)「幼児教室」が増えているから
少子化が叫ばれて久しい現代日本ですが、子どもの数が減る一方で子ども1人当たりにかける教育費が増えています。文部科学省の平成26年の調査によると、
<「学校外活動費」(学習塾、習い事などへの支出)は,公立,私立のいずれについ
ても,中学校,高等学校,大学等への進学が近づくにつれて増加傾向。>
とのこと。こちらには、幼稚園も含まれています。平成24年と比較すると公立幼稚園で+0.3万円(8.1万円→8.4万円)、私立幼稚園においては+2.2万円(12.0万円→14.2万円)となっています。
また幼稚園期だけでなく、同調査では触れられていないものの、全世代的に拡大して考えると、教育需要にあわせ“幼児教室”も増え、「近所で見かけた」「チラシが入ってきた」と、興味喚起されることで、「幼児教室が気になる」というママが増えているのだと考えられます。
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(2)「幼児教育のメリット」に惹かれるから
以前は“早期教育”、最近ではよりマイルドに“幼児教育/知育/脳トレ/就学前教育”などと言われることもある乳幼児への教育。いずれも、やり方や手法に多少の違いはあるものの、本質的には子どもを教育するという点で同類です。
これらの教育は、次のようなメリットが紹介されます。幼児教室のチラシやホームページでも見かけますよね。
・頭が良い子、集中力がある子、手先が器用な子、賢い子が育つ
・脳科学的に脳の成長を促すことができる
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・お受験で役立つ
・就学後のアドバンテージが高い
・乳幼児期の教育は投資効果が高い
これらの“幼児教育のメリット”は、“理想とする子どもの姿”と重なるため、魅力的にうつるのです。
教室に通うのは子どもですが、親の思考や行動パターンによっても幼児教室に行く・行かないを決めるのがスマートでしょう。
親自身が、その幼児教室を理解し、ほれ込み、効果を信じられるのであれば、行かせてよいでしょう。なぜなら、行かせないことで、後々「あの時、行かせておけばよかった」と後悔しかねないからです。
その際、事前に体験レッスンなども利用し、「子どもが楽しめるか? フィットするか?」など、最適な教室を見つけてあげるのがよいです。
一方で、次のような理由がきっかけであれば、無理に行く必要はないでしょう。
・「幼児教室」の効果がいまいちわからない
・「ママ友とそのお子様が通っているから」と気になる程度
・他人の子の成長が気になる(つい比較してしまう)
そもそも、0歳〜3歳までは成長の個人差が大きい時期です。
「あの子、話し出した」「数が数えられる」と、他の子とわが子を比べて一喜一憂する必要は全くありません。
幼児教室では、他の子もいるため、ついわが子に厳しい目を向けがちです。それがママのストレスになり、かえって悪影響を……ということもあるのです。
いかがでしたか?
3歳までの乳幼児期は、無理に色々と詰め込んだ教育をする必要はありません。何かに特化した教育だけでなく、“将来を”という観点でいえば、生きる上で必要な要素を体系的に学べる・触れられる経験やプログラムもあります。
たくさん遊び楽しく過ごす、人に関心をもち信頼できる、という“質の高い愛情”をたっぷりと受けることが重要といえるでしょう。
【参考・画像】
※ 平成26年度「子供の学習費調査」の結果について – 文部科学省
※ wavebreakmedia Shutterstock
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