女性器に「名器」は存在しない? 性をめぐるウワサについて専門家に聞く

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2017年02月21日 19:04  新刊JP

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『女性器コンプレックス』の著者で美容婦人科医の喜田直江さん
インターネットでウェブページを辿っていくと、性行為や性器にまつわる噂話とも言えるような不確定な情報を見かけることが頻繁にある。それらの情報を正しいと思い込み、「自分の性器は…」と悩んでしまう人もいるだろう。

美容婦人科医の喜田直江さんは、著書『女性器コンプレックス』(幻冬舎刊)の中で、自分の女性器にコンプレックスを抱き、結婚や出産などといった一大イベントにまで影響が及び、人生が台無しになってしまう女性がいることを明かしている。

周囲の人に相談しにくいからこそ、深刻化してしまいやすいのが「女性器コンプレックス」。喜田さんへのインタビュー後編では、何の情報が間違っていて何が正しいのか、ケアの正しい方法などを聞いていく。

■名器は存在しない? においケアなら毛を剃る?

――喜田さんが自分の性器にコンプレックスを抱いている女性がいるということに気付いたきっかけはなんだったのですか?

喜田:私の場合、もともと産婦人科医だったので、同じ女性ということもあって悩みを相談されることが多かったんです。ただ、病気ではないので、産婦人科では治療することができず、美容の範疇に入るんですね。

――だから喜田さんは美容婦人科医の肩書きなんですね。

喜田:そうです。美容外科ともイメージが違うのですが、切り分けるとそちらに入るんです。病気ではないものにメスを入れることになるので。

――では、『女性器コンプレックス』を執筆した経緯は?

喜田:いろいろな患者さんのお話を聞いていて、女性器に対する知識があまりにも少ないという印象を抱いたんですね。

今のクリニックを開業して5年ほど経って、同じように悩んでいる人がたくさんいること、そして対処の方法があることを、なるべく多くの女性に知ってほしいというところで、本という形であれば広まるかなと。

――やはりパートナーからの何気ない一言から自分の性器にコンプレックスを抱いてしまう方が多いという事実がある以上、男性側も不用意な一言を言わないように気をつけないといけないということを痛感しました。

喜田:そうなんですよね。実はこの本は女性に向けて書いたのですが、本を読んだ女性が男性にも読んでほしいと貸したりすることが少なくないようで、読んでいただいた男性からも反応がきています。

「大きくない?」「ゆるいなあ」と思ってしまう男性側の心理もあるでしょう。でも、伝え方を間違えれば女性はただ傷つくだけ。また、女性が「(小陰唇が)大きいよね」と言われたら、誰と比べてそんなことを言ってるんだろうと疑心暗鬼になるでしょう。

――それならば、男性側が不満を言わなければいいのではないでしょうか。

喜田:ただ、もし男性側が不満に思ってしまった場合、後々それが喧嘩の引き金になってしまうこともあります。

反対に男性も自分の性器にコンプレックスを持っている人はいらっしゃると思いますし、男性の性器に不満がある女性もいるでしょう。

不満を抱えたままお付き合いするのは2人にとって良いことではありません。ただ、言いにくいことでもあるので、そこはしっかりとした信頼関係を築いて、「一緒に治療してみない?」とかお互いが協力的になっていく必要があると思います。

――カップルの話が出てきましたが、よく「性の不一致から別れる」という話がありますよね。物理的な相性ってあるのですか?

喜田:物理的にはありません。結局は気持ちです。例えば、「名器って存在するんですか?」と聞かれるのですが、実際のところ医学的にはありません。お互い気持ち良い、気持ち良くないというのは気持ちの相性です。

――では、よく言われている「名器」とは何なのでしょうか。

喜田:それが存在しないということです。確かに締まりがよく、見た目もきれいな方がいいのでしょうけど、男性の感じ方で名器と言っているだけなので定義のしようがないんです。

――あくまで「個人の感想です」ということなんですね。また、本書には性器のケア方法についても書かれていますが、例えば黒ずみやにおいの正しいケア方法について教えていただけますか?

喜田:ゴシゴシと粗い布なんかで洗うのはNGです。顔と一緒だと考えていただくといいです。ゴシゴシと強い刺激を与えれば傷ついてカサカサになりますし、洗わなかったら油でギトギトになります。

ですから、デリケートゾーン用の石鹸を使って、手でやさしく洗うのがいいです。

また、毛の処理については、実は(毛が)ないにこしたことはないです。毛は雑菌の温床になってしまいがちなので、においの元にもなります。どうしても抵抗があるようでしたら、カットして整える程度はしたほうがいいです。下着からはみ出てしまうくらいの長さはよくないですね。

――本書をどのような方に読んでほしいですか?

喜田:一人で悩んでいる女性にはもちろん、パートナーに対して不満があるけど言えない男性にもぜひ目を通していただきたいです。この本によって、性別を問わずひとりでも多くの方のお悩みが解決されますように、そして人生の新たな1歩の手助けになりますように願っています。

(了)

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