コウモリ型ロボットがドローンに新たな可能性をもたらす

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2017年02月23日 10:31  FUTURUS

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FUTURUS

FUTURUS(フトゥールス)

まるで本物のコウモリが飛んでいるように見える。

ロボットの開発で生物を参考にすることは多いが、コウモリの飛行メカニズムを模倣したドローンが、見事にコウモリらしさを身に付けて登場した。

開発したのはイリノイ州立大学とカリフォルニア工科大学の研究者たちだ。

公開された動画を見て、そのコウモリっぷりにおどろく。

コウモリと同じように飛行できるロボット

開発されたコウモリ型ロボットは『Bat Bot』と名付けられた。

Bat Botは、コウモリを模倣した形状と動きによって、自動飛行を可能にしている。

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=OfwX6X4Nx20]

1秒間に4〜6メートルの速度で飛行でき、コウモリができるように、Bat Botもまた急旋回や急降下を行うことができる。

この敏捷さは従来のプロペラを使ったドローンにはまねができないだろう。

カリフォルニア工科大学のSoon-Jo Chung准教授は、「このロボットの設計は、より安全でより効率的な飛行を行うロボットを開発することに役立つ。それに、コウモリの飛び方をより深く理解することもできるんだ」と語っている。

コウモリの飛行機構と動きを研究

コウモリは自在に形状を変える翼を持つ動物で、最も洗練された飛行機構を取得していると考えられている。

その飛行機構には、骨と筋肉を互いに連動させ、40以上の回転方向で動かすことができる筋骨格系を作り出し、さまざまなタイプの関節が含まれているのだ。

Bat Botはわずか93gで翼の長さは約1フィート(約30センチ)と、本物のコウモリに近いサイズだ。

そして、本物ほどではないにせよ、方や肘、手首、そして脚を曲げ伸ばしすることで翼の形状を変えることができる。

そして大きな課題だったのが翼の素材だ。

羽ばたくことに耐え、しかも自由に形状を変えられなければならない。

ナイロンやマイラーでは伸縮性が不足していた。そこで研究者らは、伸縮性の高い特別な超薄型(56ミクロン)のシリコンベースの膜を開発した。

いつか見かけるコウモリはロボットかもしれない

Bat Botは、従来の飛行ロボットよりも効率の良い飛行を可能とするかもしれないという。

また、高速で回転するプロペラを持たずに軽量であるため静かに飛行でき、もしも人にぶつかっても人を傷つける可能性は低い。

そのため、災害現場などで活躍できるようになることが期待されている。

まだ製品化の予定はないようだが、ある日飛んでいるのを見かけても、それがロボットだとは気付かないかもしれない。

【参考】 Engineers Build Robot Drone That Mimics Bat Flight | Caltech

Bat Bot flies through the air on whisper-thin wings | Popular Science

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