心拍数を測定できる“新素材”の効果を検証

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2017年02月23日 12:01  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

3年後の実用化を目指す


画像はリリースより

 着るだけで心拍数などの生体情報を取得できるウェア型生体センサ「hitoe(ヒトエ)」を使った「リハビリ患者モニタリングシステム」の有効性を検証する共同実験が、藤田保健衛生大学病院で始まりました。同大学と東レ株式会社、日本電信電話株式会社(NTT)、株式会社ドコモの3社によるもので、3年後の実用化を目指しています。

 hitoeは、東レとNTTが開発した機能素材。ナノファイバー生地に高導電性樹脂を特殊コーティングした電気を通す“新素材”で、体から出る微弱な電気信号である心電位、筋電位、脳波などの生体信号をキャッチし、スマートフォンなどに表示することができます。天然繊維のようなソフトな肌触りも特徴で、本実験用としてパステルベージュの「リハビリ用hitoeウェア」を新たに製作しました。

 実験を主導するのは、同大学のリハビリテーション部門。常勤医師14人、理学療法士などの専門スタッフ130人が働く、全国最大規模のリハビリ施設です。期間は2017年2月から6月までの予定で、健常者、外来通院中の患者、入院患者各30人にhitoeを着てもらい、さまざまなデータを測定します。

リハビリ分野の有効性を探る

 実験内容は3通り。まず、健常者にリハビリ用hitoeウェアを着た状態で運動をしてもらい、心拍数データなどを取得。歩行中は、速度や距離も計測し、データが運動負荷を反映できるかどうかを確認します。

 2つ目は、同大学病院リハビリテーションセンターでリハビリを行う外来・入院患者にリハビリ用hitoeウェアを着てもらい、リハビリ中の心拍データと活動データを測ります。これらのデータを医師や専門スタッフがリアルタイムで確認するとともに、専用ビューワーでこれまでのリハビリでの心拍数・活動の経過を確認することで、より効果的なリハビリプログラムの立案につなげたい考えです。

 3つ目として、入院中のリハビリ科の患者にhitoeウェアを着て24時間、通常の入院生活を送ってもらいます。看護師が持つ端末で行動の変化をリアルタイムに確認できるため、転倒リスクのある患者の活動に早く気づいたり、臥床傾向の患者に運動を促したりすることができると想定されています。また、2017年6月から実際の団地で稼働予定の「高齢者向けスマートホーム」を開発するプロジェクト「RSH(ロボティックスマートホーム)」においても、hitoeの活用を検証する予定です。(菊地 香織)

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