夫の不倫相手に慰謝料請求したい! 離婚で金額は変わる?【小町の法律相談】

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2017年03月03日 10:13  弁護士ドットコム

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単身赴任中だった夫が、職場の既婚女性と不倫をした結果、相手の女性は離婚。彼女に慰謝料請求したいと考える女性が、「発言小町」の法律相談に質問を寄せました。女性は「(自分自身が)離婚した場合と、離婚しなかった場合、いくらとれますか?」と聞いています。


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トピ主は結婚10年、子どもが2人います。投稿によれば、「不倫相手をその気にさせ妊娠させたり、私と別れると言った夫は悪い」と夫にも問題があると言います(相手はその後、中絶)。しかし、相手女性は、夫が既婚者だと知っていたのであり、「なんでこんな辛い思いにならなきゃいけないのか」とトピ主には許せない気持ちもあるようです。


すでに夫は、相手女性が離婚する際に、相手の夫へ慰謝料を支払っています。今後、トピ主が相手女性に慰謝料請求をする際、トピ主が離婚した場合と離婚しない場合とでは、慰謝料の金額には違いはあるのでしょうか。河原崎弘弁護士に聞きました。


(この質問は、発言小町に寄せられた投稿をもとに、大手小町編集部と弁護士ドットコムライフ編集部が再構成したものです。トピ「不倫相手の慰謝料請求について」はこちらhttp://komachi.yomiuri.co.jp/t/2017/0204/793006.htm)


●責任の有無は?


夫婦の一方と肉体関係を持った第三者は、相手に配偶者がいることを知っていた場合、または過失によって知らなかった場合、誘惑して肉体関係を持ったかどうか、自然の愛情によったかに関わらず、損害賠償(慰謝料)義務があります。


相談の事例では、相談者の夫が既婚であることを、その女性は知っていたとのことですから、賠償義務はあります。


また、夫が不倫相手の配偶者に慰謝料を支払っていたとしても、相談者自身もまた、夫の不倫相手に慰謝料を請求することはできます。ただし、時効(不倫を知ってから3年以内)があることに注意が必要です。


●慰謝料の金額はどうなる?


慰謝料の金額は、被害者が受けた「損害」の程度によって決まります。不倫期間が長く、子どもまで作れば、被害を受けた配偶者の損害は大きいと考えられます。また、配偶者が不倫した結果、離婚に至れば、もちろん、損害は大きいです。さらに、愛人が積極的であったなどの理由も、一般的には、慰謝料が高くなる要因となります。


不貞行為を理由とした慰謝料の金額は、明確な基準はなく、事情によって異なります。たとえば不貞行為が「離婚の主たる原因とはいえないが、離婚に至る重要な要因」だった場合の慰謝料は50万円とした判決があります。一方で、不倫相手との間に子どもを作り、20年続いたケースでは、配偶者に支払う慰謝料を500万円とした判決もあります。


多くの例では、この中間です。慰謝料は、離婚した場合(不貞により、婚姻関係が破綻した)は150万円〜200万円位、離婚しない場合は50万円〜200万円位になるでしょう。




【取材協力弁護士】
河原崎 弘(かわらざき・ひろし)弁護士
昭和48年、弁護士登録。平成16年〜平成22年、都内の法科大学院教授。現在は「第二東京弁護士会」(苦情相談委員、紛議調停委員)、渋谷区法律相談委員。著書・監修に「ストーカー撃退マニュアル」「離婚の法律相談」「会社書式大全」「相続の諸手続きと届出のすべてがわかる本」「遺族のための葬儀法要相続供養がわかる本」
事務所名:河原崎法律事務所
事務所URL:http://www.asahi-net.or.jp/~zi3h-kwrz/


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