一人の男性の機転とそこにいた全員の協力おかげで、このほど非番の警察官であり2児の母親でもある女性の命が救われた。『Metro』や『Independent』など複数メディアが、米フロリダ州にあるマクドナルドのドライブスルーで起こった事件を伝えた。
3月14日、同州マイアミ・デイド郡のマクドナルドのドライブスルーで従業員として働いていたペドロ・ヴィロリアさん(22歳)は、車を運転している客に異変が起こっていることに気付いた。
後部座席に子供2人を乗せていたその女性は、呼吸が困難な様子ですぐに意識不明に陥ってしまった。そしてブレーキを踏み外したために車はドライブスルーの窓口で止まらずに前進したのだ。ペドロさんは咄嗟の機転ですぐに窓からジャンプして車に駆け寄り、車が車道に乗り出す前に停止させることができた。
車の中では、母親の異変に気付いた子供らが「お母さん、お母さん! どうしたの、止まって!」と叫んでいたという。ペドロさんは子供たちにすぐに警察に電話をするように伝え、店内に助けを求めに走った。
偶然にも、非番の救急隊員たちが
ドライブスルーの列に並んでおり、店内でマイアミ消防署員たち2人が朝食を食べていたことが幸いした。彼らは救急救命士が到着する前に、女性に除細動器でCPR(心肺蘇生法)を試みた。
店から駆け付けた別の従業員(名前は本人の意思で明かされていない)とともに全員が救助にあたったため女性はなんとか息を吹き返し、後に近くの病院へ搬送された。女性はこの日、偶然非番だった警察官だったという。ペドロさんは当時の様子を『NBC Miami』のインタビューでこう語っている。
「『子供たちが母親を今日失ってしまうかも知れない』と思ったら、『この女性を助けるぞ』と必死になりました。私が見た時には、女性の首が呼吸をしようとして膨張しているような感じでした。絶対に何かおかしいと感じました。」
マイアミ・デイド警察によると、その後の女性の容態に関しては明らかになっていないそうだ。しかしながら一命を取り留めた背景には、やはりペドロさんの機転の素早さと周りにいた人たちの協力があったからこそだといえよう。
ペドロさんの上司は、「彼はとても優秀なスタッフなので、彼がしたことは驚きません」と普段のペドロさんの人となりがいかに素晴らしいものであるかを褒め称えた。ニュースを知った人たちからは「よくやった!」「ボスに給料上げてもらえるといいね」「本当のヒーローだね」といった称賛の声が寄せられている。
出典:http://metro.co.uk
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)