ヒラリー・クリントン公職復帰?「準備はできている」

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2017年03月20日 23:02  ニューズウィーク日本版

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ニューズウィーク日本版

<大統領選でドナルド・トランプにまさかの敗戦を喫して以来、傷心でほとんど人前に姿を見せなかったヒラリー・クリントンが、分断からアメリカを救うと語った>


昨年の米大統領選で敗れた民主党候補のヒラリー・クリントン元国務長官は先週、公職復帰への意欲をほのめかした。


聖パトリック・デーの金曜、ペンシルベニア州スクラントンで開かれた夕食会で演説したクリントンは「森から出る準備はできている」と言った。


先週の聖パトリック・デーに演説したクリントン


クリントンは共和党候補のドナルド・トランプに敗れた昨年11月の大統領選以降、ほとんど公の場に姿を現さず、政治についての発言を控えてきた。今は「ニュースを見るのが辛い」と胸の内を明かし、こう訴えた。「アメリカは分断されている。政治的な分断は、人と人との繋がりまで引き裂いてしまいかねない」


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二極化を煽るトランプ政権の下で、意見が対立する者同士が共通点を見出す余地はほとんどないように見えるが、クリントンは満員の600人の聴衆に向かって、敵味方に分かれるべきでないと言った。「政治的な考え方が自分と違うからといって、他者を無視したりすべきではない。互いの話に耳を傾けるべきだ。共に考えて、皆がより良い生活を送れるようにしなければならない」


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「そのための方法を見つけよう。私の準備はできている。今日の夕食会のような草の根に光を灯し、皆の前進を後押ししよう」


ニューヨーク市長の声も


20分強の演説の大半を占めたのは、かつて炭鉱の街として栄えたスクラントンに自分の家族のルーツがあるという話だ。クリントンの祖父と父はこの地域の出身で、クリントンも幼いころよく近くの湖に遊びに行ったという。炭鉱業や鉄鋼業の全盛期を経て、20世紀後半に衰退した苦しい時代にも触れ、家族や地域の絆を称えた。


クリントンはスクラントンのような町こそ、政治的な分断を修復する先頭に立てると呼びかけた。「お互いの声に再び耳を傾ける時だ」「ワシントンから変化が起きるかどうかはまだ分からないが、スクラントンならそれが可能だと思う」


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現在69歳のクリントンの今後のキャリアについては、様々な憶測が飛び交う。大統領選に2度敗れた後、3度目はなさそうだ。今年11月のニューヨーク市長選で現職のビル・デブラシオ市長の対抗馬にクリントンを担ぎ出そうとする動きもある。しかし彼女の親しい友人や専門家は、その可能性はないと一蹴する。


大統領選後、クリントンは公の場ではまだトランプとやり合っていないが、ソーシャルメディアではトランプに批判的な意見を支持してきた。中東・アフリカ7カ国の国民の入国を禁止したトランプの最初の入国禁止令に全米で抗議活動が広がった1月28日、クリントンはツイッターにこう投稿した。「今夜国中に集結して私たちの価値観や憲法を守ろうとする人々の側に私は立つ。この大統領令は本来の私たちではない」


米連邦地裁が大統領令の効力を停止した後も、ツイッターで「恐怖と敵意を助長する」と批判。急増するヘイトクライムやユダヤ人を狙った暴力行為に対して、トランプが率先して止めるよう呼びかけねばならないと繰り返し訴えた。


金曜のツイートにはクリントンらしさが戻っていた。「私が今日学んだこと」というコメントを添えて、国務省の政策アドバイサーを務めたフィリッペ・レインズの投稿をリツイートした。それはトランプを嘲るこんな投稿だった。「ロシア人はスパイをする。医療保険は複雑だ。外交は骨が折れる。知らなかった!」




ニコラス・ロフレド

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