親の9割が処置の仕方に不安
お子さんがケガをしたとき、正しい応急処置ができますか?子ども向けのサッカースクールを運営する株式会社クーバー・コーチング・ジャパンが、スクールに通う児童の保護者ら574人に「ケガの対策と対応に関する意識調査」を行なった結果、9割が応急処置の仕方に不安があると答えており、困っている保護者が多いことがわかりました。
調査では、574人中308人が、子どもに応急処置をしたことがあると回答。このうち、「正しくできた」と答えた人はわずか4.9%で、最も多かった回答が「処置をしたが、正しくできたか不安」の66.9%でした。「処置の方法がわからず不安だったので、他人にやってもらった」人は24.0%、「全く処置できなかった」人も4.2%おり、自分では処置できない保護者が3割近くいるようです。
応急処置の知識を尋ねたところ、すり傷に関しては6割以上が「消毒をする」を選択。打撲、ねん挫、筋肉痛の直後は、「コールドスプレーで冷やす」が7割以上と多数派を占めました。また、運動中に頭を打ったときについては、「問題なく動ければ運動を継続する」と答えた人が約3割でしたが、いずれも“正解”とは言えません。
打撲には「RICE処置」
同スクールのメディカルアドバイザーを務める(株)国際スポーツ医科学研究所の金成仙太郎さんによると、すり傷は傷を乾かさず、自己治癒力で治す「湿潤療法(モイストヒーリング)」が普及し始めているそうです。消毒液を塗り、ガーゼを当てて傷口を乾燥させるという従来のものより、より早く、きれいに治るとされています。傷口に貼る専用の商品も市販されているので、手軽に実践できそうです。
打撲などの直後は「RICE処置」がお勧め。Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(拳上)を行います。この際の冷却はコールドスプレーではなく、アイスバックやビニール袋に氷を入れて、患部をしっかり冷やしましょう。また、頭を打ったときは「脳しんとう」になっていないか確認を忘れずに。「頭痛はないか、霧の中にいる感覚はないか、記憶障害はないか」などと質問し、当てはまる症状があれば、運動には戻らず中止します。
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ただ、これらはあくまでも応急処置であって、ケガそのものを治すわけではありません。必要であれば、医師の診察を受け、しっかり治してから、スポーツを楽しみましょう。(菊地 香織)
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