地形からピラミッドまで、高精度ドローン用レーザースキャナ『TDOT』【ジャパン・ドローン2017】

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2017年03月25日 11:52  FUTURUS

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FUTURUS(フトゥールス)

土木建築における測量の分野でも活用が始まっているドローン。中でも、最近注目されているのがレーザーによる測量だ。

測量は従来、作業員が足で行っているのが一般的だった。街中でもたまに、1人がポールを持ち、もう1人が写真を撮影する光景をみかけた事があると思う。

それに対し、レーザースキャナを搭載したドローンを使えば、より短時間に、より高精度な地形データを取得することが可能。測量の現場では、作業時間の短縮化と効率化などを目的にドローン+レーザースキャナの導入が検討され始めている。

そんな注目のレーザースキャナの中で国内初のドローン用モデル、しかも小型機体にも搭載可能なコンパクト化を実現したのが『TDOT』だ。

3月23日〜3月25日に千葉県・幕張メッセで開催された「ジャパン・ドローン2017」では、その高性能レーザースキャナの実機が登場。DJI製ドローン『MATRICE 600 PRO』とのコンビネーションも発表された。普段あまり知ることがない、ドローン測量の最先端をちょっとだけ紹介しよう。

ピラミッドも3D計測

『TDOT』を開発したのは、大阪のアミューズワンセルフ。産業用ドローンの製作やソフトの開発などを多岐に手掛ける企業だ。

この企業はなんと、エジプトのピラミッドをドローンで3D計測した実績を持ち、その模様は3月11日に放映されたTBSテレビ『世界ふしぎ発見!』でも紹介されている。

取得情報を5分でデータ化

『TDOT』のユニットは、重量わずか1.8kg。手のひらにも載せられるサイズなので、小型ドローンでも搭載は楽にできる。またドローンへの装着はアタッチメント式なのでとても簡単。フットワークの良さも自慢だ。

測量の方法は、『TDOT』を搭載したドローンを、測量したいエリアに飛ばすだけ。測量するためのレーザーは、ユニット下部から放射される。

レーザーがスキャンした地形データは内蔵のSDカードに記録され、それを着陸後にPCにインストールした3D CADなどの専用ソフトで3Dデータに変換すればOKだ。

アミューズワンセルフの技師である富井氏によると、これらにより、人力で1週間かかった測量作業が、「飛行15分、データ作成5分の計20分でできる」というから驚きだ。

写真での測量は難しい

ドローンによる測量は、レーザー以外にも上空からカメラで写真を撮影する方法もある。これに対し、前出の富井氏は、「上空からの写真では、地面に生えた草や木などの高さがあるので、正確な地形データを作るのは難しいですね。レーザーなら地面をちゃんと捕捉するので、正確な測量ができます」という。

ちなみに、『TDOT』の価格は約2,200万円。最先端技術が満載の産業用スキャナだけに、さすがのお値段だ。

また、今回セットとなるDJI製ドローン『MATRICE 600 PRO』も、高性能のフライトコントローラーなどを採用した空撮プロ用モデル。しかも価格は約50万円、高性能ながら低価格を実現している。

ドローンとその関連機器による技術の進歩により、産業界は確実に変化している。それを実感させてくれる実例のひとつだといえるだろう。

【参考】

※ アミューズワンセルフ公式ホームページ

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