【コラム】 背中の穴から赤ちゃん誕生、ふしぎな生物ピパピパ

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2008年04月02日 16:07  よりミク

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よりミク

 カエルの子はカエル――「オタマジャクシ」の形で生まれた子も、やがて親と同じ「カエル」へと成長する――自然界の事象になぞらえた、「子は親に似るもの」という意味のことわざです。けれど世の中には、ちゃんとカエルの形をして生まれてくるカエルがいるのです。その名はピパピパ。フシギな響きの名前を持つこのカエル、生態も摩訶不思議なのでした。  ピパピパ――学名は「Pipa pipa」、和名はコモリガエルといいます。ピパ科のカエルで、生息地は南米。日本でよく見かける水陸両生のカエルと違って、一生を水中で過ごします。体長約15cm、非常に平べったく、舌はありません。目も小さくて、実際あまり見えてはいないそうです。その代わり、前肢に長い指があり、その指の先端にある感覚器官で、餌などの情報を認識しているのだとか。この感覚器官は星の形をしていることから、「星形の指をしたカエル」と呼ばれることもあります。なんだか魔法でも使えそうな、ファンタジックな名前ですね。
左:つぶらな瞳 右:指先に突起があります)写真提供:しろたん.
(左:つぶらな瞳 右:指先に突起があります)写真提供:しろたん.
 
(左:体はぺったんこ 右:仰向けだとこんな感じ。指が長い! )写真提供:しろたん.
(左:体はぺったんこ 右:仰向けだとこんな感じ。指が長い! )写真提供:しろたん.
 ピパピパの最大の特徴は、その繁殖形態。和名の「コモリ」から想像されるように、ピパピパのメスは受精から産卵まで、体内に宿した子の「子守り」をするのです。しかも背中で。
 背中で子守り、と聞くと、お母さんのおんぶを思い出しますが、ヒトがせいぜい2人なのに対し、ピパピパは一度に約100匹を「おんぶ」するというのですから、なんとも驚き。体長15cmほどのピパピパに、どうしてそんなことが可能なのか・・・そのわけをご説明しましょう。    産卵が近くなると、普段はぺったんこのピパピパのメスの背中は柔らかくなり、スポンジのように厚みを増していきます。メスが卵を産むとオスが受精を行い、受精卵を柔らかくなったメスの背中に押しつけていくのです。押しつけられた卵は、だんだんとメスの背中に沈んでいき、やがて完全に埋もれることに。卵はオタマジャクシの期間も含め、約100日間をメスの背中で過ごし、親と同じ姿になってから、その皮膚を破って飛び出してくるのです。これがピパピパの「子守りガエル」たる所以。
人によっては不快に感じる場合もありますので、心臓の弱い方などは特に注意してください
人によっては不快に感じる場合もありますので、心臓の弱い方などは特に注意してください
 いくつも開いた背中の穴から、親そっくりのミニ・ピパピパが勢いよく飛び出してくる様は、衝撃モノ。どんな進化のいたずらで、このような繁殖形態が営まれることになったのか…自然界のフシギに心を打たれます。日本でも飼育は可能で、少数ながら飼っている人もいるようです。動いている様子を見たい人は、YouTubeで「Pipa pipa」と検索すると、貴重な誕生シーンなどを見ることが出来ます。あなたもピパピパの虜になるかも? (編集・執筆/mixiニューススタッフ) 関連サイト ・ホノルル動物園 http://www.honoluluzoo.org/surinam_toad_gallery.htm ・ピパピパ! http://myhome.cururu.jp/sirotan/blog/list/ct11 ・ピパピパなペエジ http://www003.upp.so-net.ne.jp/pipapipa/ ・YouTubeのピパピパ出産動画はこちら:http://www.youtube.com/watch?v=aCayq56wHSA ※ピパピパ動画は、人によっては不快に感じる場合もありますので、心臓の弱い方などは特に注意してください。
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