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やはり本サイトの指摘どおりだった。スポーツ紙やワイドショーがこぞって取り上げた「週刊文春」(文藝春秋)の渡辺謙の不倫報道。その背景には渡辺と所属事務所ケイダッシュの"不協和音"があることをお伝えしたが、それを裏付ける興味深い記事が本日掲載された。それが「女性自身」(光文社)4月18日号が報じた「南果歩ショック! 渡辺謙『献身夫の名演技』」という記事だ。
記事では渡辺と南果歩夫妻の不倫が紹介されるが、しかしその夫婦関係は冷え切っているわけではなく、むしろ逆であり、2人の夫婦愛が本物だとその絆が強調されている。
「いまも2人は夫婦いっしょに行動することも多く、実際、仲の良さは端から見ていても伝わってきます」(「女性自身」より、2人を知る関係者)
「ニューヨークのアパートでは、もともと料理が得意な渡辺が、病み上がりの妻のために和食を作り、南が体調を崩さないよう気づかっていたという」(「女性自身」より)
だが問題は、この記事にケイダッシュの川村龍夫会長がコメントを出していることだ。
「離婚の可能性はゼロですよ。彼は事態をきちんと収集できるはずです」
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そもそも"芸能界のドン"バーニング周防郁雄社長とは高校の同級生であり、その後も関係が深く、"マスコミタブー"的存在として知られる川村会長が、所属タレントのスキャンダルについてマスコミの取材を受けることじたい異例だ。しかし、それ以上に驚くのは、事務所会長として渡辺を擁護するかと思いきや、川村会長がこう続けたことだ。
「彼は前の離婚の渦中にうちに移籍してきて、私は彼の苦悩や憔悴ぶりをつぶさにみています。あんな苦労を再び背負うわけがない。助言? まず果歩さんに謝ることでしょうね。すべてはそれからです」
つまり川村会長は事実上、渡辺の不倫を認め、さらに渡辺が触れたくないであろう"過去のスキャンダル"にもあえて言及したのだ。
確かに、本サイトでも報じているように、渡辺がケイダッシュに移籍したのは前妻との離婚にもいたったスキャンダル対策だった。
デビュー以来、演劇集団「円」に所属していた渡辺だったが、2001年、当時の妻の借金問題に端を発する大スキャンダルに見舞われる。妻の借金や宗教問題、さらに渡辺の数々の女性関係も浮上し、当時の芸能マスコミは連日のように渡辺に対する大バッシング報道を展開した。その時、渡辺が頼ったのがバーニング傘下のケイダッシュだった。実際、その効果は絶大で、渡辺がケイダッシュに移籍すると、マスコミのバッシング報道はその思惑通りピタリと止む。ケイダッシュは、そのマスコミ対策や影響力をまざまざと見せつけたものだ。
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しかしその関係は変貌していく。それは渡辺がハリウッドに進出し、アメリカに生活の拠点を移し、そして世界的俳優との評価を得たことが大きい。アメリカの映画ビジネスは日本と違ってエージェント制であり、エージェントを介して自分でやりたい仕事やスタッフを選び、ギャラを交渉する。それを目の当たりにした渡辺が、芸能事務所がタレントや芸能界を牛耳る日本のシステムに対し疑問を持ち、意識が変わるのは当然だろう。しかし対するケイダッシュは、日本型大手芸能事務所の典型のようなところ。そのため、渡辺と事務所とのあいだに距離ができたといわれている。
そこに降って湧いたのが今回の不倫報道だった。ワイドショー各局も当然のようにケイダッシュにお伺いを立てたらしいが、今回に関しては一切NGとは言われなかったのだという。事務所としては、自分たちのコントロールが効かない渡辺に対し、お灸を据え、ある意味"見せしめ"にし、自分たちのマスコミへの影響力を見せつけることで、"今後は逆らうとどうなるか"という警告の意味もあったというのが、本サイトが指摘した渡辺不倫報道の内幕だ。
そう考えると、今回の川村会長による異例のコメントは、子飼いの芸能マスコミを使っての渡辺へのさらなる警告であり、また自身の芸能マスコミへの影響力を見せつけるものだ。そして「女性自身」もまた、ケイダッシュに見事に追随し、ダメ押しするように記事をこう締めくくっている。
「渡辺はいまの自分があるのが誰のおかげか、もう一度よくかみしめるべきだろう」
いまの"世界の渡辺謙"があるのは、何より『ラストサムライ』(2003)をはじめ、日本の芸能界の力学とは関係ないハリウッドでの成功を、自らの実力で獲得した渡辺と、それを見出したハリウッッドのキャスティングディレクターでもある奈良橋陽子によるものだと思うのだが......。
恐るべしタレント支配、日本芸能事務所と芸能マスコミの癒着、である。
(林 グンマ)
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