社会人になって「最初の3年間」は、非常に大切だと考えています。その間に、何を知り、どう考え、挑戦していくか。しかも、そこで「自己肯定感」と「自信」を持ち、前向きに取り組めるようにできるかが、その後のビジネス人生に決定的な影響を及ぼすと考えています。
今回、「入社3年目まで」に必ずやっておきたいことを一冊にまとめ、思考力やコミュニケーション力、時間力、情報収集力……など、さまざまなスキルをご紹介していますが、そのベースとなる大切なポイントがあります。それは、「人として信頼される」こと。信頼されればよい仕事を次々に依頼されますし、リーダーシップも発揮できます。仕事が充実し、成長し、多くの場合は収入も増え、プライベートでも素敵な出会いがあるのです。
■人として信頼される――出発点は「自分に自信を持つ」こと
信頼されるためには、「人間力」、すなわち、「人間的魅力」が欠かせません。人間的魅力とは、人間性のある人に対して、自然に誰でも感じることです。「人間的魅力があるといいな」と、おそらく多くの人が思い、意識されているかもしれません。
実は、人間的魅力が身につくための出発点は、「自分に自信を持つ」ことです。これがないと、不安になり、ふらふらして自分にも周囲にも悪影響を与えてしまいます。これまで多くの方と接してきましたが、入社1年目でも自信にあふれ人間的魅力のある人はいますし、一流企業の役員、部長クラスでも、「自分に自信を持っていない」人が多いと思います。それを認める人は少ないのですが、言動が明らかにそれを示しています。
■「自信」はどこから生まれるか
自信は「仕事ができること」から生まれます。具体的には、仕事をやり遂げる「スキル」と、そのスキルを活かす「メンタル」が重要です。入社3年目までに身につけたいスキルは、たとえば、下記のものが挙げられるでしょう。
- 圧倒的なスピード――すべての仕事は3倍速くできる
- 仕事の全体像をつかみ、要点を押さえる――「フレームワーク」と「オプション」を活用する
- コミュニケーション力――「アクティブリスニング」で問題を発見し、解決策を考える
- 資料作成力――先輩の資料をまねしながら、自分なりの「テンプレート」をつくりあげていく
- 時間コントロール法――すぐに着手する。決めたら迷わず実行する
■身につけたスキルを活かす3つのポイント
上記のようなスキルを活かす両輪となる「メンタル」面で、大事なポイントがあります。まず、「もやもや」をなくすこと。もやもやした思いがあると、頭が働きにくくなります。何が問題なのか、その問題に対してアクションを取るべきなのか放置していてもいいのか、アクションを取るとしたら何をすべきなのか、判断できなくなるのです。もやもやが整理できると、自分への自信がわいてきます。
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また、やると決めたことを実際に実行することも大事です。自分の将来を自分である程度以上コントロールできる、決めたことを実行できる、という感覚が自信に直結します。
さらに、自分を認めて、ポジティブに接してくれる人と多く付き合うことです。私たちの自信は、最初のうち、それほど強固なものではありません。したがって、いろいろ努力をしていて、成果があっても、いちいちそれを否定する人がそばにいたり、始終、スキルがないことをなじられたりしたら、おかしくなってしまうからです。皆さんはこれからも、ずっと成長が続きます。終わりはありません。その間、誰と主に接するかは本当に大切なのです。
今後の数十年、充実して楽しく生き、社会にも貢献できるか、一方、常に後ろ向き、ネガティブで不平、不満を持ちながらつらい人生を送るかの違いの大半は、最初の3年間で、一定の行動、姿勢を身につけるかどうかに大いに関係します。入社3年目までの方はもちろん、転職をされた方や入社3年目を超えた方々であっても、もし十分に取り組んでおられないことがあったら、ぜひ今からでも試していただければと思います。
【関連書籍】
『入社3年塾』(三笠書房)
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