発達障害と向き合う栗原類さん、母が振り返る当時の心境

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2017年04月24日 12:14  BOOK STAND

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『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』栗原 類 KADOKAWA
"ネガティブすぎるイケメンモデル"のキャッチコピーでおなじみのタレント・栗原類さん。昨年、『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』を上梓し、自身の発達障害をカミングアウトしたことでも注目を集めました。

 栗原さんが発達障害の一種「注意欠陥障害(ADD)」という診断を受けたのは、ニューヨークで暮らしていた8歳の頃。

 本書では、早期発見・早期診断のメリット――小学校低学年のうちから適切な支援教育を受けられたこと、自身の発達障害を受容し、向き合うことができたこと――が語られていますが、栗原さんは、発達障害者が"生きづらさ"を解消するためには、周囲に理解を求めていく努力が必要だとして、以下のように述べています。

 「学校や会社など組織の中で誰かと一緒に何かをする場合は、周りに理解をしてもらったほうが精神的にもすごく負担が減ります。なかには『言いわけだ』と言って、理解しようとしない人もいると思います。そういう人は無視すればいいのです」(本書より)

 「他人に自分の苦手なことを話すのは、最初は恥ずかしいかもしれませんし、冷たい眼で見られるかもしれません。でも、それを気にしていたら、まわりに自分の弱点を理解してもらえずに、ミスを責められ精神的にまいってしまいます」(本書より)

 「自分の弱点をさらけ出さないと、単純に残念な人扱いで終わってしまう可能性が高いのです。そうなると、自分だけでなく家族も精神的にまいってしまう。それだけは避けたいです」(本書より)

 タイトル通り、栗原さんがどのようにして"自分が輝ける場所"をみつけられたのかに迫る本書ですが、なかでも見逃せないのが、本人の手記に加えて、主治医の高橋猛医師へのインタビュー、友人・又吉直樹さんとの対談、そしてシングルマザーで栗原さんを育てた母・栗原泉さんによるコラムも収録している点です。

 とくに自身も発達障害のADHD(注意欠陥・多動性障害)という診断を受けている泉さんが、当時の体験も交えて解説している箇所は、発達障害児に限らず、育児に悩む保護者や支援者にとって、非常に示唆に富んだ内容となっています。



『発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由』
著者:栗原 類
出版社:KADOKAWA
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