【Interview】ブラック企業撲滅をめざすアプリ「ブラゼロ」に迫る

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2017年04月26日 09:03  Techable

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政府主導で働き方改革が叫ばれている昨今。その陰で、ブラック企業に苦しめられている人たちがまだまだ大勢いることを、忘れてはいけない。

今回ご紹介するのは、そんな社会を是正するために立ち上がった勇気あるサービス。企業に対する改善要求を、ユーザーに代わって実行する「ブラゼロ」だ。企業に労働者側の要望をきちんと伝えつつ、雇われ方の根本的な変革をめざしていくという。

提供元は、2016年設立のナックルボール。代表取締役CEOの日野 雄介(ひの ゆうすけ)氏に、詳しい話を聞いた。
・企業への改善要求をFAXまたはメールで伝達
Q1:まずは、日本のブラック企業とその被害現状に対する、御社の見解をお聞かせください。
ブラック企業がニュースになるのはほとんどが大手企業の場合であり、知名度の低い中小企業、特に地方には、ニュースに登場する以上のブラックな企業が、数多く存在しています。

ブラック企業とは、ブラックな経営者のマインドが管理職、社員へと伝わり、そして会社全体が真っ黒に染まっていく組織です。そういったブラック経営者に対し、民間から何かしらのプレッシャーを与えない限り、根本的にブラック企業が減ることはない、と思っています。
Q2:「ブラゼロ」とは、どんなサービスなのでしょうか。仕組みや特長など、詳細について改めて教えてください。
ユーザーがブラゼロに登録したことを、ユーザーの名前を明かさずに、勤務先へFAXかメールで伝えます(任意・無料)。これだけで企業は、自分の会社が第三者を巻き込んで「見られている」という意識を持ち、危機感を感じてくれるはずです。

有料会員になると、会社からの不当な扱いを具体的に記入することができます。それを改善してほしい旨を、ユーザーの代理で「ブラゼロ」が、FAXかメールで企業へ伝えます。3か月ほどで改善がされなかった場合は、関係監督省庁へ通告する旨も記載しています。
・アプリ利用者ゼロをめざして
Q3:サービス構築にあたって最も苦労したのは、どんなところでしょうか。
このようなサービスは他に類を見ないので、ユーザーがダウンロードした後に気軽に登録し、サービスをフルに活用できるよう、心理的ハードルを下げるUX/UIをめざしました。

しかし、リリースのスピードの方を優先したため、今のところまだ満足はしていません。iOS版のリリースに向け、これからもっとブラッシュアップしていくつもりです。
Q4:「ブラゼロ」がめざす社会とは、どんなものでしょうか。今後の展開と併せて、未来の展望をお聞かせください。
雇われている人たちが、企業をチェックするという風潮が一般的になれば、ブラック企業は減っていくはず。そのためにもまず、ユーザー数を増やしていきたいと思います。それに反比例してブラック企業は減り、ゆくゆくはユーザー数も減少していくのが、理想の姿です。

要するに、結果を出すほど、自らの存亡を危うくするという事業を始めてしまったわけですが(笑)、実際にそうなることを切に願っています。
ITならではの特性を生かした「ブラゼロ」。ブラック企業で悩む多くの人に、このサービスを知ってほしい。そして、勇気を持って利用していただきたい。日野氏が願うような社会になることを、心から願っている。(取材・文 乾 雅美)

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