職場飲み会が仕事の生産性を上げる!?

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2017年05月06日 09:02  JIJICO

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JIJICO

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グーグルにみる福利厚生の例


いまやIT業界の最大手となったグーグル(本社:アメリカ合衆国)。
グーグルは、社員の福利厚生を手厚くしていることで有名です。
有給休暇の取得率はほぼ100%に近く、社員のスポーツなどのサークル活動も支援、さらには社員食堂が無料でバランスの取れた食事がきちんと取れるなど、うらやましい限りの充実ぶりです。
また、毎週金曜日にはTGIFと言われる社内ミーティングがあり、社員食堂をバーのように変えて、お酒を飲み、おつまみを食べながらプレゼンや意見交換を行うといいます。
グーグルが社員の福利厚生に力を入れる理由は何なのでしょうか。


理由はコミュニケーションを増やすため


先述のグーグルの福利厚生制度は、もちろん社員の満足度を上げて定着してもらうことも大きな狙いですが、もう一つの大切な目的は、社内コミュニケーションを活発にするということです。
外資系のIT業界と聞くと、ビジネスとプライベートはきっちりと線引きし、個を重んじつつITをフル活用して効率重視で働くといったイメージが先行しがちです。
しかし、実際には社内ミーティングを頻繁に開催し、充実した社内食堂を整備するなどして、社員同士の面と向かったコミュニケーションを大切にしていることがうかがえます。
ともすれば、パソコンと一日中にらめっこして黙々と働き続けている日本企業より、人とのつながりが感じられる職場であると言えるかもしれません。


コミュニケーションで生産性を上げる


グーグルがここまでコミュニケーションを重視するのは、チームで仕事をするときには、職場の「心理的安全性」が高くなければ、個々のメンバーの能力が十分に活かせないという研究結果があるためです。
人は、他者から承認されたいという基本的な欲求を持っています(承認欲求)。
チームのメンバーがお互いの人となりを理解し、尊重することで、メンバーは安心して仕事で能力を発揮することができます。
メンバーが互いを信頼するためには、コミュニケーションを密にすることが欠かせません。
つまり、コミュニケーションを活発にすることがチームの生産性向上につながるのです。


日本の文化?「職場飲み会」の見直し


もちろん、グーグルのような充実した福利厚生制度をすべての企業が完備することはできないでしょう。
ここは一つ、日本企業で昔から行われてきた「職場飲み会」の意義をもう一度、見直してみてはいかがでしょうか。
会社の飲み会と聞くと古臭いイメージがあって、せっかく開いてもプライベートを重視する若い社員は毛嫌いするのではないかと思われるかもしれません。
もちろんそのような傾向はあるのですが、株式会社リクルートライフスタイルの調査・研究機関である「ホットペッパーグルメ外食総研」の調査によれば、職場飲み会に対するイメージは、ネガティブなものよりもポジティブなものが上回っていることが判明しています。
さらに、職場飲み会に期待することに対する回答の1位も「コミュニケーションの場(50.7%)」という結果であり、社員の中にもコミュニケーションを増やしたいといった思いがあることが見て取れます。


上司の自慢話や説教だけに終わるような飲み会は当然敬遠されてしまうでしょうが、やり方を工夫すれば、職場飲み会もコミュニケーションを増やすための素晴らしいツールになることでしょう。
限られた人材で生産性を上げていくためにも、飲み会などを活用して社内のコミュニケーションをもっと活発にしていきましょう。



(大竹 光明・社会保険労務士)

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