ジェネリック医薬品への切り替え、多くの薬剤師が口頭で提案も…

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2017年05月11日 12:02  QLife(キューライフ)

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勧めるきっかけトップは「価格」


画像はリリースより

 CMなどで耳にする機会も増えた「ジェネリック医薬品」。先発医薬品と同じ有効成分を含む後発医薬品のことで、先発医薬品と有効成分のみが同じ「ジェネリック医薬品(GE)」のほか、製造方法、成分、添加物なども全く同じ「オーソライズドジェネリック(AG)」があります。薬価が抑えられるため、患者負担の軽減や医療保険財政を改善する切り札のひとつとして、厚生労働省では普及を促進しています。

 先発医薬品からジェネリック医薬品への切り替えを勧めるには、処方箋を発行する医師だけでなく、薬剤師の力も欠かせません。そこで、薬剤師向けのコミュニティサイト「ココヤク」を運営する株式会社エス・エム・エスでは、調剤薬局など患者さんへの受け渡し窓口となる薬剤師を対象に調査を行い、203人から回答を得ました。

 その結果、ジェネリック医薬品への切り替えに消極的な患者さんに対して、7割近い薬剤師が再提案していることが判明。切り替えを勧めるきっかけは「薬価に差が出た」が最も多く、「処方内容が変更されたとき」、「使いやすさが改善された製品が発売されたとき」の順になりました。

先発医薬品に戻る割合、9割の薬剤師が25%未満と回答

 切り替えの際は、資料などを使わず口頭で患者さんに説明している薬剤師が圧倒的に多い半面、説明の難しさを感じている薬剤師も多いようです。なかでも、抗うつ薬など精神科系の薬剤と抗がん剤に関しては、他の患者さんもいる薬局窓口では、疾患名を出して説明しづらいという意見が聞かれました。

 ほかにも、「患者さんが漫然と服用を継続していると感じても、提案力がなく提案できない」、「副作用に関して、下手な説明はかえって不信感を招く気がする」など、自身の力不足を気にする声も上がっています。しかし、ジェネリック医薬品に切り替えてから、もう一度先発医薬品に戻る患者さんの割合は25%未満と回答した薬剤師が9割と、切り替えを行った患者さんの大多数は、問題なくジェネリック医薬品を使用していることがわかります。

 今後、ジェネリック医薬品を普及させるために優先してほしいこととして、「国や保険者が、患者への情報提供を通して認知度を高めてほしい」、「医師への働きかけを強めてほしい」、「先発品に劣らない後発品づくりを推進してほしい」といった要望があがりました。医療現場の理解が進むことはもちろんですが、服用する側も日ごろから情報を集め、選択する目を養っておきたいですね。(菊地 香織)

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