「うつ傾向あり」9割以上が未診断。身体症状の陰に潜む、うつ病の可能性

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2017年05月23日 18:02  QLife(キューライフ)

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塩野義製薬「うつ傾向のある人の意識と行動に関する調査」より

 塩野義製薬株式会社は、うつ傾向があり、現在医療機関でうつ病の診断をされていない、かつ、最近心療内科あるいは精神科を受診したことがない20〜69歳の男女2028人を対象とした、「うつ傾向のある人の意識と行動に関する調査」を実施、5月17日に結果を公表しました。

 同調査ではまず、事前調査として「最近1か月間、気分が沈んだり、憂うつな気持ちになることがよくあった」「最近1か月間、物事に対して興味がわかない、あるいは心から楽しめないことがよくあった」のいずれかに「はい」と回答した人を「うつ傾向のある人」として定義しました。事前調査の結果、うつ傾向のある人の9割以上がうつ病・うつ症状の未診断者だということが分かりました。さらに、うつ傾向のある人に、「不眠症」「慢性頭痛」「過敏性腸症候群」と診断されている人が多いということも明らかになりました。

 本調査からは、うつ未診断者で身近な内科医がいる割合は約半数だということが分かりました。しかし、その中で実際に身近な内科医に「相談できた」人は、1割程度にとどまったといいます。その理由としては、「相談したいが、病気と認めたくない」「うつ病に対してネガティブなイメージが強い」「医師との関係性が良好ではない」などの理由が挙げられました。

睡眠障害、疲労倦怠感や体の痛みなどの身体的不調の陰に潜む“うつ病”の可能性


藤田保健衛生大学医学部 精神神経科学講座教授 内藤宏先生

 同日に開催されたプレスセミナーでは、調査結果をもとに、藤田保健衛生大学の内藤宏教授と宮崎医院(愛知県西尾市)の宮崎仁院長による講演が行われました。

 うつ傾向の症状には、睡眠障害・疲労倦怠感・頭痛などの身体的不調と、物事を悪い方向に考えるなどの精神的不調に分けられます。宮崎先生によれば、「特に身体的不調を抱える患者は、まず内科などの“かかりつけ医”に受診することが多い」といいます。「身体的不調を抱える患者は、精神的不調を抱えているわけではないので、患者自身がうつ傾向の自覚がないことが多いのが現状です」(宮崎先生)。また、内藤先生も「身体症状の陰に潜むうつ病の可能性に注意が必要」と訴えました。

 うつ病の早期発見・早期治療につなげるためには、「内科医と精神科医の連携が必要」と宮崎先生。少しずつではありますが、内科医が精神科的評価をするための問診チェックリストの利用など、うつ病の早期発見に向けての取り組みも進んでいるそうです。気持ちの落ち込みなどの精神的不調はもちろん、「疲れているのに眠れない」「体がだるい」「頭痛や肩こりがひどい」などの身体的不調を感じた場合は、まずは身近な内科医・かかりつけ医に相談してみることもひとつの手段かもしれません。(QLife編集部)

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