SNS社会が生んだ!? ビジュアル重視のカレーへの違和感

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2017年05月25日 00:00  citrus

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『ねとらぼ』によると、「食欲減退色の最右翼」とされている「青色」をあえて全面に押し出したカレーライスが、ネット上でにわか話題になっているらしい。
 
商品名は「ネモフィラカレー」。国立ひたち海浜公園(茨城県)で販売しているお土産物で、美しい海と、園内に咲き誇る済んだブルーが鮮やかな花・ネモフィラを象徴しているのだという。
 
うっすらとした水色とかではなく、想像の5倍以上は真っ青──だが、味はあくまでもスタンダードな「カレー」で、甘口ながらしっかりとコクが感じられるポークカレー……フルーティーな香りが鼻から抜ける感じもけっこうイケると聞く。
 
原材料にネモフィラの花は含まれておらず、その「青色」の正体は天然着色料。食後は「アバターかよ」と自分ツッコミをしてしまうくらい口腔内が青くなる……のだそう。
 
そのあまりに異様な外観に、数年前からネット住民たちのあいだでは
 
「青すぎ」
「まろやかな狂気を感じる」
「決して不味くはないが脳が拒絶している味がする」
 
……ほか、賞賛だか批判だかよくわからない、アンニュイなコメントが飛び交っている様子である。
 
私がまだ子どもだったころには「黄色」と評されていたカレーは、やがて時代の流れとともに「赤」が出てきて「黒」が出てきて……それらのどれもが最初は受け入れがたい“想定外のカラー”だった。
 
もう40年以上も前に描かれた料理漫画のパイオニア的作品『包丁人味平』のカレー編に登場した、味平のライバル・鼻田香作が集大成として創りあげたコールタールのように黒い「ブラックカレー」は、いくら作中で「美味しい!」と煽られたところで、当時の私には「美味しそう…」と感じることができなかった。
 
また、私がまだ30歳そこそこだったころ。友人に連れられたインド料理店で「緑」のカレーが出てきた。チキンとほうれん草を使った「サグチキン」だ。「うわっ! 不味そう!!」と正直、口に運ぶのを躊躇した。が、目をつぶり息を止めて恐る恐る食してみたら……意外に、どころかとても美味かった。
 
もはや「なんでもあり」な昨今のカレー。ココナッツ系のタイ風カレーは、「白」、トマトやタンドリーチキンなどをベースにしたカレーは「橙」──白黒・3原色・補色のなかで残された色は「紫」と、そして「青」だけ……。
 
これまでの「赤」や「黒」や「白」や「緑」には、まがいなりにも「メイン素材の色」という必然性があった。一方の「青」にはそれがない。天然着色料の「青」である。そんな無理矢理、強引に開発されたビジュアル重視なカレーは、現在のSNS社会が生んだ「鬼っ子」と言えるのかもしれない。
 
ちなみに、心理学的見地からもっとも食欲をそそるとされている配色は「赤と黄色」……だとラーメン漫画の『ラーメン才遊記』に書いてあった。でも、やっぱカレーは微妙な茶色、うんこ色が一番っすよね〜!
 

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  • ←北島夫婦のCMになってから、ジャワカレー中辛が変に辛くなった。レベル表示だとホテル・ザ・カリー中辛かバーモント中辛になる。2つは好みだった�ŵ�
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