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大切なのは、目の前のものを見て自分で考えること。『いい親よりも大切なこと』著者にきいた、育児のポイント

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2017年05月29日 13:03  MAMApicks

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書籍『いい親よりも大切なこと』(新潮社)の著者である、小竹めぐみさんと小笠原舞さんは、保育士の資格を持つ起業家だ。今回おふたりに、この本の使い方や今の育児環境について思うことを語っていただいた。

【記事前編】
書籍『いい親よりも大切なこと』著者にきく、今の母親や子どもを取り巻く息苦しさとは?

■悩めるママに、ハウツーではなく、事例を紹介したい
―― この本で書かれている内容というのは理屈としてはなるほどと思うことがたくさんあるんですけど、いざ行動するのはやっぱり難しいと感じる方もいるかもしれません。どういう心持ちがあればいいでしょうか?


小笠原:そうですね。全部やるのはやっぱり難しいので、自分がピンと来たものからやってみて、「やり取りが心地よかった」「イライラしなかった」というものがあれば、もうひとつやってみるという気持ちでいいと思います。

小竹:この本は「これを全部やればパーフェクトです」という意図で書いたのではなくて、読者に対して「こういう選択肢が実はあったよ」と紹介したいんです。誰かにとってはよいことでも自分にとっては無理だと思うことは絶対にあるはずなんですよ。この本は「させる」というよりは「知ってもらう」「出会ってもらう」というところを目的としています。もしかして、この本を見たことで、「この人たちとはまったく価値観が合わない。そうじゃなくて、自分の育児はこれなんだ」ということがわかるかもしれない。それはそれでとてもよい気づきだと思います。



■子どもの世界が社会と切り離されているのは問題
―― おふたりの目から見て、今の日本の子育てや幼児教育に対して思うことがあれば教えていただきたいです。

小竹:これは私が保育業界に入りたての時に強く感じたことなのですが、子どもに対して「隠そう」という文化がすごくあるなと。それは、事実そのものを隠したり曲げたりして、子どもにコーティングして伝えるということですことですね。私は事実をそのまま子どもに見せたいと感じることがよくあるんです。その上で、一緒に感じて、考えていくことが大事だと思っています。

新人の頃のことです。当時勤めていた園の職員会議で、「子どもと一緒に一度やってみたいことは?」という質問に保育士たちが答える機会がありました。ほかの先生は「花をみんなで植えたい」とか、楽しそうなことを提案していく中で、私は「みんなでゴミ山を見に行きたい」と発言したんです。私の発言でその場の空気が固まり、質問をした先生からは「もう少し楽しそうなことでお願いします」と言われました(苦笑)。

でも、今、地球で起こってることに現実として子どもが直面していて、それでどう感じるのか、どうしたいのか、どうやってみるのかということが、非常に大切だと思うのですが、そういった観点は、すごく欠けている気がしますね。

子どもを怖がらせたいわけじゃないし、危ない目に合わせたいという気持ちがあるわけでもない。でも、子どもをもっと信じていいと思います。子どものほうが素晴らしいアイデアを持っていたり、行動力があったり、一生懸命まっすぐ取り組んだり、そういうすぐれたところがあると思います。子どもを守ろうとするあまり、大人が子どもの出会う世界を狭めてしまうのはすごくもったいないと感じていました。

小笠原:私も、子どもの世界はすごく閉ざされてると感じますね。大人の理想の社会しかそこにないなと。本来保育園は社会の中にあるものなのに、なんだかまったく別物の理想形の社会が作られているんですよね。だから、いざ子どもたちが社会の中に出たときに、ギャップがあるんじゃないでしょうか。

私は会社勤めをした後に保育の世界に入ったので、教育現場と社会がかけ離れすぎていることに衝撃を受けて、教育現場は本来は社会とつながる場所なのにと強く感じました。きれいごとばかり考えていると、思考は停止します。考えなくても生きていけてしまう。それは、理想通りの考え方をしていない人、行動していない人が否定されてしまうことにつながるのではないでしょうか。

―― これからお二人どのような活動をしていきたいと考えていますか?

小竹:これ、いろんな方にきかれるんですが、私たちは未来というのをポジティブな意味でそんなに描きません。もちろん、ワクワクすることは大切にしていますが、自分たちのもとにやってきてくれたモノ、コト、ヒトに感謝して味わっているので、今、理想郷みたいなものはないんです。これはこの本の世界観とも通じていることだと思っています。こんな子に育ったらいいなというよりは、目の前の子がどんな出会いをして、それによりどんなことが起こっているのか……もう子ども自体を信じてるからいいやと思うのと同じような感覚ですね。だからこそ、自然に来る流れを自然に受け止めて行ったらいいなと思っています。

小笠原:そういう過ごし方が楽しいなということは、子どもといて初めて体感できたんですよね。もともと私は先が見えないと不安になるタイプで、すごく先の未来までを考えてばかりいたんですが、子どもたちといるとそうじゃなくていいんじゃないかなと思うようになりました。目の前で起こっていることを大切にするというスタンスで今の大人たちが生きるのは、とても大切なことのような気がします。そうなると、もっと身近な小さな幸せに気づくことができそうですよね。

小竹:世の中の風潮として「続くことが良いや、『もっと』という向上心が良い」となりがちですが、それを手放したときに見える世界や、今の状況を楽しむことこそ、本当に豊かなことだと感じています。「もっともっと」と望むと本当にきりがありません。そのうちに大切なことが見えなくなってしまうと思います。そういう意味で、「私たちの会社は10年、20年後も続けていきたいです」と思っていません。逆にニーズもないのに無理やり続けるために必死になっているほうが不自然だと思うからです。だからこそ、私たちは、今日という日を1日1日楽しみながら過ごしています。

今井 明子
編集者&ライター、気象予報士。京都大学農学部卒。得意分野は、気象(地球科学)、生物、医療、教育、母親を取り巻く社会問題。気象予報士の資格を生かし、母親向けお天気教室の講師や地域向け防災講師も務める。

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