「かっぱ寿司」が再出発! なのに、客が来ないのはなぜ?

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2017年06月05日 16:00  citrus

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新生「かっぱ寿司」を視察した。古くさいキャラクターは消え、ロゴも一新。
店の雰囲気もお洒落になり、以前のようなチープさは感じさせない。

 

何より変わったのは、味である。

 

「平日90円」を大々的にPRしていた頃は、加速度的にネタが悪くなり、「安かろうマズかろう」が、世間の評判となっていた。だが、新しい「かっぱ寿司」は、普通に旨い。明らかに美味しくなっている。これなら、日常的に利用しても良いと思う。ある意味、「かっぱ寿司」は復活したと言っても良い。

 

しかしながら、業績は上向きとはなっていない。2016年4〜12月期の連結最終損益は、55億7000万円の赤字となっている。「安くて美味しいお店」としては復活したが、事業としては危機的な状況のままである。安くて美味しいのに、なぜ客が来ないのか。

 

 

■ボリューム十分、でも高い…そんなネタは求められていない

 

ひと言で言えば、「安かろうマズかろう」のイメージが払拭できていない、ということ。同社が実施したアンケート調査でも、他店に比べて「安っぽい」「ダサい」「古い」というイメージを持っているユーザーが多いという結果が出ている。

 

そこで「かっぱ寿司」は、新たな戦略を打ち出した。定番ネタの他に、「旬ネタ」と創作メニューである「特ネタ」を月ごとに提供するというもの。「美味しいネタ」+「話のネタ」を作ろうという狙いである。テレビコマーシャルでも流していたが、「特ネタ」の第1弾は「全国お祭り寿司」。日本の祭りを寿司で表現している。

 

「さっぽろ雪まつり寿司(税別380円)」
「青森ねぶた寿司(税別280円)」
「仙台七夕まつり寿司(税別280円)」など。

 

見ためにインパクトがあり、ボリュームも充分。話題づくりを狙っていた。だが、その結果は……。

 

100円回転寿司において、ボリュームは不要である。安くて量が少ないからこそ、さまざまなネタが楽しめるのであって、1皿で腹が満たされては、他のネタが食べられない。また、1皿が300〜400円超えでは、客は手を出さない。

 

「安くて美味しい」が、100円回転寿司に本来求められるものであって、「美味しいけど高い」はいらないのである。目指すべき方向が間違っている。他にも、スマホによる座席予約や持ち帰りのネット予約も導入しているが、
「安かろうマズかろう」のイメージを払拭できていない現時点では、何の意味もない。

 

なぜ、イメージの刷新ができないのかを考え直すべきである。私の考察では、店名に大きな問題があるのではないかと思う。店もネタも変えたのに客が来ない、ということは、「あのかっぱ寿司だろ」と、客が固定観念を持っているからである。

 

いまさら何をやっても、「かっぱ寿司」であることに変わりはない、と思っているのである。加えて、「かっぱ」という言葉の古さにも原因がある。「スシロー」「はま寿司」「くら寿司」より、はるかに古くさい響きである。この店名のままでは、本当の復活は望めない。もう、店名を変えるしかないのではないか。まったく違う店名で、新興勢力のような顔をして、再デビューした方が良いのではないか。

「新しくなりました」ではなく、「新しいお店です」とアピールした方が、新しもの好きの、いまの消費者は注目してくれるのではないか。

 

経済界では、“「脱かっぱ」空回り”などと囁かれるが、「かっぱ寿司」の名前がある限り、「脱かっぱ」は成し得ない。

このニュースに関するつぶやき

  • …マックが、無駄な高級路線とチープ過ぎる路線との行ったり来たりで意味不明な迷走をしてるのを見て分からんのだろうか?。一皿に●●円出すならマックやカッパである必要は無いしな。
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