生活習慣と高血圧の関連を「自宅」で調査

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2017年06月08日 12:02  QLife(キューライフ)

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QLife(キューライフ)

東北大とオムロンが5,000人規模で実施


画像はリリースより

 高血圧は、脳血管疾患の危険因子です。ほかにも、動脈硬化や心筋梗塞、慢性腎臓病などあらゆる病気のリスクを高めることも知られており、健康な生活を送るために、予防や治療が大切です。塩分の取り過ぎが原因のひとつですが、簡便な塩分摂取量の評価法がないことなどもあり、減塩指導の成果がなかなか上がらないのが現状です。

 しかし、近年の測定機器の進化によって、睡眠や運動など、家庭での生活習慣をこれまでより簡便かつ正確に測定できるようになってきました。高血圧に関するナトリウム(塩分)とカリウム(野菜や果物)の摂取バランスを測定する機器(尿ナトカリ計)もそのひとつで、これにより、塩分摂取量が自宅で簡便に測定できるようになりました。

 そこで、東北メディカル・メガバンク機構(東北大学)とオムロンヘルスケア株式会社は2017年5月から、生活習慣と高血圧などの疾病との関係を解き明かす共同研究に着手。同機構が被災地で行なっている東北メディカル・メガバンク計画に参加する地域住民5,000人に、尿ナトカリ計、活動量計、睡眠計を貸し出し、尿中のナトリウムとカリウムのバランス、身体活動量、睡眠状態を10日間測定してもらって、従来の自己申告型アンケート調査に基づく生活習慣測定と比較します。

3つの機器で生活習慣を同時に評価

 参加者は、起床後に活動量計を装着し、入浴時を除いて就寝時まで装着します。尿ナトカリ計によるナトリウムとカリウムの食事バランスは、毎日朝晩2回の尿で測定。睡眠の測定は、睡眠計を用いて毎日就寝時に測定を始め、起床時に測定を終了します。

 従来の研究では、身体活動、食事、睡眠それぞれの生活習慣を独立して評価してきましたが、これらの要因は相互作用を及ぼすため、総合的に生活習慣を評価することが必要になります。本研究では、同期間に3つの機器を用いて測定できるため、相互作用を検討することが可能となり、血圧への影響をより詳細に検討できるメリットがあります。

 測定されたデータは2017年度中に収集され、データの整理が完了次第、全国の研究者にも分譲され、個別化予防・研究にも活用してもらう予定。研究グループは「自らの生活習慣を把握する具体的な物差しを持った上で、重要な健康指標として確立された血圧値を個人がコントロールしていくモデルを作り、“自分で測り自分で作る健康社会”を目指したい」としています。(菊地 香織)

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