吉田豪が「アイドル運営は信用できない」といった理由...枕営業や出演強要などアイドル業界の闇を暴露!

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2017年06月10日 21:12  リテラ

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リテラ

ニコニコ生放送『久田将義×吉田豪のタブーなワイドショー』5月21日放送より

〈これは常々言っていることで、そして年々その比率も上がってきているんですけど、ボクは地下アイドル運営の8割は信用できないと思ってます。〉



 5月16日、吉田豪氏がツイートしたこの投稿が波紋を呼んだ。吉田氏といえば、自身が選曲したアイドル楽曲のコンピレーションアルバムを何枚もリリースするほどアイドルに造詣が深いことで知られ、アイドルオーディション「ミスiD」の選考委員も務めている。インタビュアーとしてであったり、イベントの司会者であったりといったかたちでアイドルと仕事をする機会も多く、この類の発言は色々と軋轢を生んでしまいそうだが......。



 しかし、そういった立場にいるからこそ、杜撰な運営の仕事や、タレントからの搾取が横行する地下アイドルがらみの芸能プロダクションには色々と思うところがあるのだろう。5月21日にニコニコ生放送で放送された『久田将義×吉田豪のタブーなワイドショー』では、具体例もあげつつ、さらにこんな踏み込んだ発言をしていた。



「なんで僕がアイドルの運営を信用できないって言うようになったかというと、多分、僕の原点が大きいと思うんですよ。初めて地下アイドルの仕事をしたとき、地下アイドルのイベントに呼ばれたんですよ。アイドルがいろいろ出る、お客さんも正直そんなに入らないような。そこのトークコーナーに呼ばれて。そこで打ち合わせをしたアイドルの運営兼プロデューサーみたいな人がいて、正直ビジュアルからして『うわあ、胡散臭い人だ』って感じで。葉加瀬太郎が汚くなった感じの、同性でも生理的に無理って言いたくなるようなレベルの人が来て、『うわー』って思ったんですよ。で、仕事して、その数年後かな? その人が自分でやってるアイドル事務所があって、そこのアイドルの女の子の宣材写真を撮ると言ってラブホテルに連れて行ってやろうとして、女の子がトイレか何かに逃げ込んで警察呼んでその人が捕まってたんですよ。だから、地下アイドル運営というのは、そういうことをする人という刷り込みがまずあるんですよ」



 また、番組では続けてこんな体験談も語られた。アダルトビデオの世界ではいま現在、出演意志のない女性を脅迫したうえで無理矢理出演させる「AV出演強要問題」が議論され続けているが、実は、アイドルの世界でも似たような問題は起きているらしい。前掲番組のなかで吉田氏は、過去にイベント控室で遭遇したこんなエピソードも語っていた。



「3人組のアイドルのうち1人がトークに出ていて、ふたりがまだ控室にいるときに、僕の横で泣き出したんです。ちょうどその子のブログには直前に『海外でグラビア撮って楽しかった』とか書いていて、そうしたら、その海外というのは実はスタッフも誰もついてきてくれなくて、行ったらいきなり初仕事で『何だよお前、今日は脱ぐからな』と言われたと。『何も聞いてないですよ』と電話をしても繋がらなくて、初仕事でいきなりギリギリの着エロをやらされたんですね。で、その子は『もう、こんな事務所辞めたい』とボロ泣きしていて、でも、『辞めさせてくれない』みたいな。他のメンバーの子が慰めているような状態でした」



 こういった問題に関しては当のアイドル自身も別の媒体で被害を証言していたことがある。「ミスFLASH2016」ファイナリストでもあるグラビアアイドルの吉沢さりぃは『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』(彩図社)のなかで、グラビアアイドルにおける強要被害に関してこのように綴っていた。



〈アコギな事務所の中には、所属タレントが新人で何も知らないのをいいことに、マネージャーが勝手に制作会社と話を進めることもあります。

 そういう場合、撮影当日、何も知らない女の子は過激な撮影を強いられ、「こんな話聞いてない」と泣いてしまいます。片や制作者側は「事務所とは契約している」「やってくれなきゃ困る」の一点張り。

 私も以前、TフロントNGなのに撮影日当日にはちゃっかりTフロントが用意されていて、毛の処理もしていないし、履きたくないしで泣きわめいて変えてもらったことがあります。毎回ロケについてきた社長がそのときはいなかったのでわかっていて来なかったのでしょう〉



 アイドルブームが勃発して以降、いわゆる「地下アイドル」が大量に生まれた。実話誌系週刊誌を中心として、いまでも毎週のように、薄給で奴隷のように働かされている実態や、ファンからのストーカー被害などを扱う記事が溢れているが、そのなかでも多いのが、枕営業に関する話である。



 アイドルに関する「枕」話は本当に多い。近年の代表的なものだけでも、アイドルグループ・仮面女子のメンバーが所属事務所社長による性接待強要を暴露した件、芸能プロダクション・センディングの元代表が芸能界デビューをちらつかせ中学生女子にわいせつ行為を強要し逮捕された件、グラビアアイドルの小泉麻耶が元所属事務所幹部から性接待を強要され被害届を提出した件、眞鍋かをりが元所属事務所との事務所移籍訴訟のなかで枕営業の存在を示唆した件......大きく報道されたものを並べただけでも枚挙に暇がない。



 また、2015年5月には、アイドルグループ・PASSPO☆の元メンバーである槙田紗子が突如こんな文章をツイッターに投稿したことが話題になったのも記憶に新しい(この件に関しては同年7月、ツイッターを乗っ取った犯人の大学生と示談にいたったと彼女の所属事務所がHP上で発表している)。



〈メンバーみんな頭使えないし、こんなとこいるの無理だよ。それはみんなもわかるよね。ほぼ中卒だし、マトモな人間じゃないんだからさ。さこはよくここまで続けられたわ。最初から芸能なんてしなければよかった。ブサイクばっか相手にしたし。芸能初めてから何人とエッチしたんだよって〉



 吉田氏は、この問題に関しても核心を突くような発言をしている。グラビアアイドルで漫画家のあさの☆ひかりが今年1月に出版した『何度か消されかけましたが、こりずに芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!?』(ぶんか社)で著者と対談している彼は、こんな会話をしている。



〈あさの 私、前作(引用者注:14年にぶんか社から出版された彼女の前著『芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!? 三十路グラドルのつぶやき』のこと)が出たあとに「ヨソで言わんとい亭」っていう深夜番組に出させてもらって、枕営業の話とかバクロしたんですけど、当日まであの子がくるって知らなかったんですよ。事務所PのアイドルTが......。

 吉田 見てました。あれ、完全にワナですよ!

 あさの そうですよね!? 事前打ち合わせの時に、プロデューサーさんに、枕で有名な事務所としてそこの名前を出してるんですよ。そしたら当日いるから、マジで!? と思って。しかも3人も!

 吉田 あの事務所のスタッフは、ビジュアルもかなりパンチが強いですからね......。

 あさの 肌が真っ黒で、入れ墨が入っているような人たちが3人並んで、監視ですよね、完全に。私がちょっとでも「事務所が枕をあっせんしている」なんて話をすると「うちの事務所は違います」って入ってくるんですよ。もう、冷や汗をかきながら......。

 吉田 知り合いが事務所Pに入る時、「愛人コースがあるけどどう?」っていわれたらしくて。あるんだ、そんなコース(笑)〉



 あくまで事務所名は匿名だが、二人がここまで断定するということは、そういった実態が業界のなかには確実に存在するということなのだろう。



 前掲番組『久田将義×吉田豪のタブーなワイドショー』では、地下アイドルが置かれている状況はひとつの人権問題なのではないかと問いかけながら、このように締めくくっていた。



「この前、(女子プロレスラーでタレントの)ミミ萩原さんの取材したときに、あの人も芸能界自体にも結構だまされて、プロレスでもだまされて、『いまだったらもう訴訟してるのに』って何度も言ってたんですけど、それなんですよね。訴訟が大変なことだと思って当時はそんなことも考えもしなかったけど、もっと気軽に訴えることができるようなシステムをつくったほうがいいのは事実だと思って。過払い金請求みたいなことが気軽にできるシステムがちょっと前にできて弁護士事務所が儲けたなんてことがあったじゃないですか。弁護士事務所関係は地下アイドルが運営にいろいろ訴えるようなシステムをつくったら意外と儲かるかもしれませんね。お互いウィンウィンな感じで。仕事もなくなってるっていうし。過払いブームも過ぎて」



 2011年前後から世間を席巻したアイドルブームも完全に過ぎ去り、現在では乃木坂46や欅坂46などの一部を除けばどこもジリ貧な状況にあるが、それでも、ある程度文化として定着した以上、なくなることは決してないだろう。しかし、だからこそ、これからはより一層の搾取がはびこる可能性がある。こういった吉田氏の勇気ある暴露は業界を良い方向に導けるだろうか?

(新田 樹)


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