よく「喫煙者は味がわからない」なんて言いますよね。料理漫画でも取りざたされたりするこのテーマ。
タバコの煙で鼻が利かなくなるためにおいからの情報が受け取れなくなり、味を感じられなくなるといった話もありますが、どうやら舌の味覚を感知するセンサー「味蕾(みらい)」の影響があるようなのです。
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■タバコが苦味を検出する能力を低下させる!?
味覚には、基本味「甘味・旨味・塩味・酸味・苦味」の5つがあり、舌の上の「味蕾」という器官で刺激を受け取っています。
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喫煙によってタバコの化合物の蓄積し、味蕾の再生を阻害している可能性があるようなのです。
少し前の記事になりますが、Chemosensory Perception オンラインの2014年3月号に掲載された、ピティエ=サルペートリエール病院(フランス・パリ)のネリー・ジェイコブ氏らの論文によると、「喫煙者は苦味を感じにくい」ことが研究によって判明したとのことです。
実験の内容は約450人の被験者を喫煙者・元喫煙者・非喫煙者の3つのグループに分けてから、甘味・塩味・酸味・苦味をどの程度認識できるのかテストするというもの。
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その結果、甘味・塩味・酸味の検出には問題がなかったものの、「苦味」を検出する能力には影響がみられたそうです。
その検出できなかった苦味というのがカフェイン。
カフェインの代表格といえば、コーヒーですね。「コーヒー&シガレッツ」という(ちょっとマイナーな)映画もあるとおり、タバコとコーヒーは切っても切れない……そんなイメージがあります。
喫煙をする人はコーヒーをブラックで飲む人が多いような気がするのも、もしかしたら苦味を感じる能力が低下しているから……!?
個人の感想になるため真偽はわかりませんが、実際に何人かの喫煙者に参考程度の話を聞いたところ、「確かに苦味はあまり感じないかも。ブラックコーヒーは水に近い感じ」といった驚くような意見もありました。
水に近い感じ……なるほど。たしかに苦味を感じていない?ようですね……。
■禁煙したらどうなるの?
実験結果によるとカフェインの苦みを識別できなかったのは喫煙者では約20%、元喫煙者では約25%、非喫煙者では約13%だったとのこと。
みなさんお気付きでしょうか。元喫煙者の割合が意外と多い……!
ネリー・ジェイコブ氏によると、禁煙後もタバコの影響は消えないようで、禁煙したとしても苦味を識別する能力が正常に戻るかどうかはわからないそうなのです。
ただ、喫煙が苦味の識別に影響を及ぼすとはいっても、旨味障害の記事にもあるとおり、薬の副作用や生活習慣病、口内病、うつやストレスなど……味覚を阻害する原因はタバコ以外にもたくさんあります。
禁煙だけでなく、総合的に健康的な食生活・生活週間を送ることが大切なんですね。